SST製造技術の開発

タイトル SST製造技術の開発
担当機関 森林総合研究所
研究期間
研究担当者 木材利用部加工技術科木下敍幸機械加工研究室 高野 勉
発行年度 1993
背景・ねらい カナダで単板ストランドを積層・接着して建築材料を製造する方法が開発されているが(パララム),この方法では製造機械が高額で,利用できる原料も限られてくる。この問題を解決するため,より簡単な製造工程で,製材や建築廃材あるいは早生樹(ヤナギ,カンバ等)のような低質原料から建築材料として使用できる木質部材(SST)を製造する方法を開発した。
成果の内容・特徴 製造工程は大きく分けると次のようになる。
  1. 刃物による割裂現象を利用した目切れの少ない厚さ5~10mmの板材の製造
  2. 円筒形金属の外周面にカッタを取り付けたロールプレスによる板材の細片化・ストランド化
  3. ストランドの乾燥
  4. 乾燥したストランドに接着剤を塗布後,成型・積層接着
材料に刃物を当てて割裂させることにより比較的薄い板材を効率的に作る方法を検討した結果,大きな節を含まない木材繊維が通直な針葉樹ではかなり好結果が得られたが,節を含む材料や繊維が交錯している特に南洋材ではトラブルの発生が多く現段階では問題があった。ただ,直径が5~6cm以下の軟らかいヤナギやカンバ等の早生樹では割裂工程を省略して直接ロールプレスを通すことによりストランド製造が可能であり,またプレスによって材料中の水分が絞り出されるため次工程のストランドの乾燥も容易になる。図lに示すように,ストランドの含水率を20%以下にするには温度200℃,風速2m/secの条件の時約5分程度必要である。製品の性質はストランドの圧締圧力に大きく左右される。ヤナギを原料とした製品の比重,曲げヤング係数,曲げ強さと圧締圧力の関係を図2,3,4に示しているが,圧締圧力を調整することにより希望する比重,強度の製品が得られる。なお,SSTとは原料,製造方法,製品の性能等を表すために新しく作った用語で,次のような意味を持っている。Short Small Twig(原料として小径低質木,枝まで利用),Squeeze Split Tearing(原料を割裂細片化する),Superposed Strand Timber(細長い材料を積層して大断面の製品を作る),Superior Strength Timber(高い強度性能の製品)

図表1 212363-1.gif
図表2 212363-2.gif
図表3 212363-3.gif
図表4 212363-4.gif
図表5 212363-5.jpg
カテゴリ 乾燥

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