| タイトル |
東シベリアタイガの二酸化炭素貯留量 |
| 担当機関 |
森林総合研究所 |
| 研究期間 |
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| 研究担当者 |
大澤 晃
北海道支所育林部 高橋邦秀造林研究室 金澤洋一
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| 発行年度 |
1993 |
| 背景・ねらい |
寒帯・亜寒帯の森林生態系は,地球温暖化により植生が変化するだけでなく,土壌有機物の分解による二酸化炭素やメタンの放出で温暖化を加速する可能性が指摘されている。そこで情報が少なく,温暖化の影響を受けやすいシベりア永久凍土地帯のタイガについて,二酸化炭素収支の現状を推定するために,森林と土壌を含めた生態系での炭素の貯留量及び固定量,年輪解析による成長周期と候変動等との関係を調べた。
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| 成果の内容・特徴 |
ヤクーツク市(62゜05lN 129゜45lE)郊外の試験林で各種の調査を行い,以下の結果を得た。
- レナ川左岸の森林土壌(図1)における活動層の厚さは110~180cmとなり,カラマツ林で浅く,アカマツ林で深い傾向を示しているが,レナ川右岸(図2)のアラス草地の活動層は250cmを越えるものもある。活動層断面には土壌の撹拌作用により形成された有機物炭索量の 多い層による独特の模様がみられる。土壌中の全炭素貯留量は,左岸の林内でおおよそ85~200ton/haとなり,アカマツ林シラカンバ林カラマツ林の傾向を示した。右岸のアラスではカラマツ林で50~85ton/ha,草地では340~420ton/ha,底部の湿地では700ton/haを越えている。土壌pHは6~8と高く,下層ほど高い傾向を示すが,アラス草地では表層でPH8~l0を示す。
- カラマツ林の生産構造(図3)は,葉量がl.7ton/haと非常に少なく,葉量を除いた地上部バイオマスは122ton/ha,下層植生やリターを含めたバイオマスは約36ton/ha,地下部バイオマスはおおよそ100ton/ha,幹に対する根の量はおおよそ1:1となり,相対的に根量が多い形態となっている。下層植生も含めたカラマツ林の年間生産量は約3ton/haとなった。この林分の二酸化炭索貯留量は約450ton/ha,年間の木質部への二酸化炭素固定量は約2ton/haとなる。
- 年輪解析からカラマツの成長に30年周期が認められるが,最近100年間の成長に大気中のCO2上昇の影響は認められない。年輪には森林火災による痕跡が数回認められる。ロシアでは年間の森林火災面積がl40万ha~l000万haに及び,二酸化炭素収支に与える影響は無視できない。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| 図表4 |
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| カテゴリ |
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