トドマツ列状植栽人工林における間伐の効果

タイトル トドマツ列状植栽人工林における間伐の効果
担当機関 森林総合研究所
研究期間
研究担当者 金運 洋一
大澤 晃
九島 宏道
石塚 森吉
佐藤 明
発行年度 1994
背景・ねらい 北海道の人工林には列状植栽がよく見られる。この列状植栽の人工林も他の地域と同じように拡大造林時代に植栽された林が多く、現在間伐の時期を迎えている。しかし、人工林の歴史が浅い北海道では間伐効果に関する知見、特に列状植栽地での間伐の影響評価についての知見の蓄積が少なかった。こうした背景のもとにこの課題では、トドマツの5条植え林分に列状間伐を含む種々の間伐を実施し、その効果を数年にわたって調査した。
成果の内容・特徴 5条植え25年生トドマツ林に表lのように9とおりの間伐処理区を設定した後、伐倒調査を含めて調査を続け、間伐から8年後に最終調査を行った。間伐から数年後でも残存木の成長と間伐の種類・強度の聞に相聞が見られた。上層間伐区では、強い間伐ほど残存木中の大きな個体の成長がよくなった。全層・列状間伐区では無間伐区に比べて残存木中の小さな個体の成長が促された。一方、下層間伐区では間伐による残存木の成長促進効果はあまり期待できなかった。間伐から5年後に行った伐倒調査の結果を表2に示す。間伐の影響は残っていたが、弱度の間伐区では葉量がほぼ一定になった。またl本当たりの材積成長量は列状弱度、全層強度、上層弱度で大きかった。これはいずれの処理区も成長のよい大きな個体が残ったことによる。間伐後8年目に3条目だけを抜いた列状弱度区、2条と4条を抜いた列条強度区、無間伐区を対象に、8年前に測定した同一個体の胸高直径の測定を再び行った。間伐年と8年後の各処理の平均胸高直径を図1に示す。各処理ともに直径成長が見られたが、断面積で比較すると強度区での成長が大きかった。各処理、各条の8年間の断面積成長率を表3に示す。無関伐区と弱度区では、南西側の外縁条の成長率が最も高い。また、弱度区では南西側の1条を抜いた4条の成長もよかった。一方強度区ではすべての条でほかの処理区の成長率を上回っている。直径の上位10個体についても同じ傾向が見られた。また、両側を開放した個体の成長率をlとすると、片方のうち南西側を開放したものの成長率は0.88、北東側だけを開放したものは0.77となり、両側が閉鎖されたものは0.8で、北東側を開放したものとあまり差が見られなかった。
図表1 212379-1.gif
図表2 212379-2.gif
図表3 212379-3.gif
図表4 212379-4.gif
図表5 212379-5.png
図表6 212379-6.png
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