ランドスケープ概念による流域管理計画の策定

タイトル ランドスケープ概念による流域管理計画の策定
担当機関 森林総合研究所
研究期間
研究担当者 坂本 知己
佐野 真
土屋 俊幸
梶 光一
中村 太士
伊藤 晶子
発行年度 1994
背景・ねらい 地球環境を保全しようとする大きな潮流の中で、生物の多様性等、森林の多様な価値の保全が強く求められている。これに答えるには、自然環境を保全しながら多様な土地利用を行う総合的な流域管理計画が必要である。しかし、これまで、様々な土地管理視点を調整する有効な手法が存在せず、その開発が望まれていた。本研究では、複数の土地管理視点間で相互に議論できる枠組みを作り、それらを統一的にとらえる手法とそれに基づく流域管理計画策定手法を検討した。
成果の内容・特徴 本研究では、流域をいくつかの「区域」から構成されるランドスケープ(図1)としてとらえ、その構造と機能との維持を望ましい流域管理計画の条件とした。流域の利用をめぐる土地管理視点間の競合は、各土地管理視点がとらえる「区域」が空間的に重なる場合に生じる。

従ってまず、各土地管理視点が、対象流域をどのような「区域」の集合として階層的にとらえているかを整理した(図2)。次に各「区域」の空間スケールを整理し(表1)、競合する可能性がある「区域」を明らかにした。これは、相容れない「区域」が空間的に重なった場合であっても、「区域」の大きさに差がある場合には必ずしも競合するとは限らないからである。空間スケールからみて競合する可能性がある場合には、表頭に土地の人為改変を伴う森林利用に関する視点がとらえている「区域」を、表側には野生動物の生息環境保全等の保全的視点がとらえている「区域」を空間スケールの順に並べた表を作成し、競合関係を整理・評価した。評価は3段階で行い、中間の「条件付きで認める(△)」の場合には、その具体的な条件を整理した(表2)。

以上のように土地管理視点聞の競合関係を整理したのち、実際の流域を対象に、目標計画法を用いた個々の土地利用の割付け手法を検討した。その際、土地利用による影響を定量的に評価できる場合は、目標式、あるいは制約式として組み入れた。定量的に評価できない場合は、GISを利用して土地利用を認められない「区域」を土地利用の対象から除いたのち目標計画法を利用した。その結果、所期の目的に沿った流域管理計画策定手法の基礎を確立することができた(写真)。
図表1 212380-1.gif
図表2 212380-10.png
図表3 212380-11.png
図表4 212380-12.png
図表5 212380-13.jpg
図表6 212380-2.gif
図表7 212380-3.gif
図表8 212380-4.gif
図表9 212380-5.gif
図表10 212380-6.gif
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図表12 212380-8.png
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