タイトル | 林業用ハイブリッドベースマシンの試作開発 |
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担当機関 | 森林総合研究所 |
研究期間 | |
研究担当者 |
福田 章史 毛綱 昌弘 山口 浩和 佐々木 尚三 遠藤 利明 山田 健 佐々木 達也 広部 伸二 上村 巧 陣川 雅樹 |
発行年度 | 1995 |
背景・ねらい | 造林、保育などの作業は労働負担が大きく、危険も伴う作業であるので急傾斜や厳しい地形条件下で作業を行う機械が強く求められている。本研究の目的はこれら急傾斜不整地の走行に適した脚式とクローラ式の脚回りを組み合わせたハイブリッドベースマシンの開発を行うことである。そのため、脚式移動機械(HBM-1)と全方向移動形急傾斜不整地車両(Tri-TrackMover:TTM)の二つの機械の開発を行った。 |
成果の内容・特徴 | HBM-1は、4本の主脚と2本の補助脚を持ち、主脚は前後2本ずつまとめて上下できるスライダに取り付けられている。脚はすべて油圧で駆動され、主脚は脚先を前後、上下、左右に動かすことができる。補助脚は上下運動のみを行い、移動時に車体の安定を図るために用いる(写真、図1)。これらについて、事前に細部の機構の試験と制御プログラムの検討を行った上で全体の制御プログラムの作成を行い、4本の主脚に均等に荷重をかけつつ、車体を水平に前進させる制御、脚先を固定したまま全脚を駆動し車体を上下する制御、脚先の位置制御などが可能になった(図2)。 TTMは、従来の急傾斜不整地車両の問題点を車体構造から検討し、全く新しい考え方のもとに開発した車両である(写真、図3)。この機械は、3組の自転できるクローラ足回りを三芒星形状に配置した基本構造を持つことで、安定性と接地性を両立させている。また、静止状態から全方向移動が可能であり、差動装置を必要としない、足回りの超信地旋回(自転)は縦スリップなしに行える、等の特長を持つ。図4に示すように、直線走行、方向転換、全体旋回の基本走行モードで全方向移動を行う他、段軸操作によって急傾斜地でも安定を保つことができる。プロトタイプによる試験の結果、以下のように全方向移動機能の利点が確認できた。 a)3台のエンジンの回転速度不一致については、直線走行・旋回時とも実用上大きな問題とならなかった。b)全方向旋回に伴う3組のクローラ方向の不一致については、方向がおよそ10゜以内に一致していれば、小さな横滑りにより調整され、方向の不一致がそれ以上に大きくなると、クローラがロール軸まわりに横転を始めることが観測された。c)傾斜35゜の乾燥試験路を自由に走行が可能であり、27゜の泥濘路面では斜行と旋回を繰り返す電光形登坂によって容易にクリアできた。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
図表5 | |
図表6 | |
図表7 | |
図表8 | |
図表9 | |
図表10 | |
図表11 | |
カテゴリ | 乾燥 傾斜地 |