竹を原料としたボードの開発

タイトル 竹を原料としたボードの開発
担当機関 森林総合研究所
研究期間
研究担当者 渋澤 龍也
金 柔妊
発行年度 1996
背景・ねらい 近年、地球環境保全の観点から、熱帯雨林を持続的に経営していくことが強く求められており、これまで低利用であった木質資源の有効利用法の開発が緊急の課題となっている。現在、アジア各国では、更新が容易で優れた強度性能を持つ竹が注目され、その造成計画が具体化しており、今後、竹材の供給量が増大することが予想される。そこで、竹材の有効利用法を開発するために、竹を原料とするパーテイクルボードを製造するとともに、竹の持つ優れた物性を活かした新しい材料として、ゼファーボードを開発し、それらの性能を評価した。
成果の内容・特徴 竹材を原料とするパーティクルボードの最適な製造条件を導出し、製造したパーティクルボード(写真1)の性能を評価した。密度及び接着剤添加率が高いほど機械的強度は増大した。接着剤添加率5%のものではパーティクル間の結合力が本質的に弱かったものの、接着剤添加率10%、15%のものはパーティクルボードの規格基準値を超える曲げ強さを示し、木材を原料とするパーティクルボードと同程度またはそれ以上の性能を有していた(図1)。
竹は軸方向に繊維束が集まって長くのびており、割裂性が高く、材自体の強度性能も高い。この特色を活かして、竹材を網目状に押しつぶしてゼファー(写真2)とし、積層・接着してボードを製造した(写真3)。ゼファーの繊維方向を一方向に配向してボードを製造すると、繊維方向(繊維を折り曲げる方向)の曲げ性能は高い値を示すが、それと直交する方向の性能は極めて低い。各層の繊維方向を合板のように交互に直交するように積層することにより、表層の繊維方向の曲げ性能を著しく損なわずに、直交方向の曲げ性能を向上させ、方向による強度の差を低減することができた。材料中に節が存在しても曲げ性能の低下はほとんどみられず、構造用合板の規格1級の要求性能を満足しており、コンクリート型枠用合板の基準値を満たす材料も製造可能であった(図2)。湿潤時の強度残存率は60%を越える高い値を示した。
表層にたて継ぎのある材料の曲げ性能は、継ぎのない材料に比べ大幅に低下したが、継ぎのある層の重量を半分とし、その上、または下に同じ重量の継ぎのない層を配置して、継ぎ部を分散した7層積層(図3)の場合、曲げ性能の低下はほとんどみられなかった(図4)。このことから、材料中にたて継ぎが含まれても、たて継ぎの配置を工夫することで、曲げ性能の高い材料を製造することが可能であることが分かる。また、寸法安定性は木材を用いた場合より優れていた。
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カテゴリ 経営管理

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