建築廃材木炭で床下の調湿

タイトル 建築廃材木炭で床下の調湿
担当機関 (独)森林総合研究所
研究期間
研究担当者 森川 岳
末吉 修三
発行年度 2003
要約 布基礎の内部に建築廃材木炭を敷きつめた結果、床下の温度は変わらなかったが、相対湿度は外気並みに低くなった。木炭が水分を吸着する機能を利用することで、床下の湿気を減らせることが分かった。
背景・ねらい 日本の気候はおおむね湿度が高いため、住宅の中に湿気がこもりやすく、これが建物や住んでいる人の健康に被害をもたらすことがあります。特に、床下に多く湿気がこもった場合、木を腐らせる腐朽菌やカビ、シロアリなどの繁殖が進んで、大きな被害となる可能性があります。このため、床下の湿気の問題に対しては、様々な方法で解決が試みられてきました。近頃では、木炭が水分を吸着し放出する機能に着目し、床下に木炭を敷いて温度や湿度の環境を改善する試みが行われています。中でも、老朽化した木造建物を取り壊して出てきた建築廃材から作られた木炭を利用することは、木材をリサイクルすることにもつながることから、高い関心が寄せられています。
この研究では、木造の実験家屋の床下に作った実大サイズのコンクリート製布基礎の中に建築廃材から作った木炭を敷きつめて、内部の温度と相対湿度を長期間にわたって測定し、敷きつめる前の1年から敷きつめた後の1年にかけての温度と湿度の変動に基づいて木炭の調湿機能を調べました。
成果の内容・特徴

実際の床下を模した実験

床下の調湿には、建築廃材をチップ状に砕いて炭化させて作った木炭を約3kgずつ不織布の袋に入れて用いました。布基礎モデル内の地面に隙間がないように約0.1mの厚さに敷き詰め、布基礎の上を木製のパネルで閉じました(図1)。温度・湿度センサーは床下内部の地面から0.15mの高さの位置に6カ所、布基礎モデル外部に隣接する地上から高さ1.5mの位置の百葉箱内1カ所に設置し、木炭を敷きつめる前1年から敷きつめた後1年にかけて温度と相対湿度を30分間隔で測定しました。

温度と湿度の年変動

温度と湿度の年変動を見ると、木炭を敷きつめる前では床下内(測定位置6)の温度は外気(測定位置1)と同じように変化していますが、気温が低い10月から3月にかけては外気より床下の方がやや高く、気温が高い4月から9月にかけては外気より床下のほうがやや低くなっています(図2)。木炭を敷きつめた後でもこの傾向は変化しておらず、床下の温度は、木炭を敷きつめる前も後も常に外気よりやや小さな変化で推移することが分かります。相対湿度は床下および外気ともに4月から9月にかけて高く、10月から3月にかけて低いという同じような変化をしていますが、敷きつめる前では床下の方が外気より常に高く推移しています。一方、木炭を敷きつめた後では床下と外気との差は小さくなっています。床下内の他の測定位置でも同じ変化が見られました。温度は木炭を敷きつめる前後で変化が非常に少ないのに対し、相対湿度は外気との差が小さくなっていることから、床下内部の空気中の水分量が低下して外気に近づいていることが分かります。

一日の変動

一日の変動では、温度は木炭を敷きつめたかどうかにかかわらず、昼間は床下の方が低く、夜間は外気の方が低く推移しています(図3)。相対湿度は、敷きつめる前では床下が外気と同じ水準かあるいはそれより高く推移していますが、敷きつめた後では、昼間は床下の方が高く、夜間は外気の方が高くなっており、床下と外気とで相対湿度が一日の周期で逆転する状態となりました。木炭を敷きつめることによって、一日の中で夜間に床下の相対湿度が外気よりも低い状態が作り出されていることが分かります。
この研究の結果から、建築廃材木炭を床下に敷きつめることにより、床下の内部を調湿できることが分かりました。温度と相対湿度の測定は現在も続けており、今後は木炭の調湿効果がどのくらい持続するか明らかにしていく予定です。
図表1 212600-1.gif
図表2 212600-2.gif
図表3 212600-3.gif
図表4 212600-4.png
図表5 212600-5.png
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カテゴリ 繁殖性改善

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