集材時における残存立木被害の発生パターンとその軽減策-スイングヤーダ集材の場合-

タイトル 集材時における残存立木被害の発生パターンとその軽減策-スイングヤーダ集材の場合-
担当機関 (独)森林総合研究所
研究期間
研究担当者 岡 勝
近藤 耕次
吉田智佳史
井上 源基
佐々木達也
発行年度 2004
要約 スイングヤーダ集材を対象に、集材による損傷の発生状況を分析した結果、主索から水平5m、地表高1mまでの位置に被害が多く発生することが判明しました。また、被害軽減には点状伐採より列状伐採の方が有利である結果が示されました。
背景・ねらい 間伐作業では立木を残しながら、伐採や木材搬出が行われます。通常、これらの作業は労働負担の軽減や作業の安全性・効率性を確保するため機械を用いて行われます。そのため、機械や集材木が立木に接触し、立木に損傷を与えることがあり、大切な残存木の価値を下げる場合もあります。伐採や木材搬出には細心の注意が払われますが、現場条件や作業手順によっては、避けられない場合もあります。残存木の損傷を少なくするには、いつ、どこに、どのような損傷が発生してきたかを明確にして今後の改善に活かす必要があります。例えば、集材時における損傷木の発生予測ができれば、事前に防護策を講じることで損傷を軽減することも可能になります。ここでは、急傾斜地で用いられるスイングヤーダ集材作業を対象に、損傷木の分布や伐採方法の違いによる立木への影響を明らかにしました。
成果の内容・特徴

損傷木は架線(主索)に近いほど多くなる

損傷木には樹皮はく離、材損傷、幹折れなど8タイプの形態があります。中でも最も多いのが樹皮はく離(写真1)で、全体の8割以上でした。その主な原因は、立木と集材木との擦れによるものです。架線集材では、主索*から水平距離5mの範囲内にある立木は損傷の危険性が高いことがわかりました(図1)。また、山腹斜面にタワーヤーダ*を設置する場合、架線の高さをあまり高くすることができない場合があります(写真2)。このような箇所では、集材木は地曳き状態で行われる場合が多く、地表高1mまでの低位置に損傷が多く発生する結果となりました(図2)。

損傷を少なくするための方法

損傷を少なくするには、損傷木の分布だけでなく損傷の主要な原因を明らかにする必要があります。ここでは、立木密度、地形傾斜、伐採方法、横取方向など8要因を取り上げ分析しました。その結果、伐採方法の影響が最も大きく、損傷を少なくするには、伐採木が林内に分散される点状伐採より、伐採木が直線状に配置される列状伐採の方が有利であるという結果が得られました(図3)。次いで横取方向(集材木を引寄せる方向)の影響が大きく、最急傾斜方向に集材する方が等高線方向に行うより、材の転がりが抑制され損傷は少なくなることが推察されます。これらの知見から、現地の状態にもよりますが列状間伐を積極的に実施するとともに、事前に防護具(写真3)を架線付近の損傷木発生の危険性が高い箇所に設置するなど、現場でより効果的な防護策が講じられることが期待されます。

詳しくは:岡 勝ほか(2005)日本森林学会関東支部大会発表論文集 56:79-80 をご覧下さい。

*主索;空中に張り渡したワイヤーロープの上を走行する搬器により木材を吊り下げて運搬する作業システムのことです。
*タワーヤーダ;簡便に架線集材できる人工支柱を装備した移動可能な集材機です。急傾斜地での作業に向いています。
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カテゴリ 傾斜地

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