タイトル | ここまで分かった、我が国の木材資源フロー |
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担当機関 | (独)森林総合研究所 |
研究期間 | |
研究担当者 |
外崎真理雄 恒次 祐子 伊神 裕司 村田 光司 武田 八郎 高木 真由 岡野 健 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 我が国の木材資源フローを国産素材・外材、輸出入製品から、製材・合板等一次加工、建築・家具等二次加工、最終製品の廃棄、再利用まで、製造残材・使用済み廃材を含んだ形で定量的に明らかにしました。 |
背景・ねらい | 木材は樹木が大気から吸収した炭素で、それを建物等に長く使うと「炭素貯蔵効果」、木材製品は作るときのエネルギーが少ないので「省エネ効果」、木材炭素は再生産で循環するので化石燃料の替わりに使う「エネルギー代替効果」により地球温暖化の原因とされる大気中のCO2を減らすことができます。また「循環型社会」構築のため、廃棄物を減らし資源の無駄遣いをしない社会が求められています。これらを計画的・効率的に実現するため、国内における木材資源フローを明らかにすることが必要です。 |
成果の内容・特徴 | これまで分からなかったこと人はお金で買う物、売る物についてはきちんと記録しておきますが、ゴミとして捨てる物には関心が少ないし、大勢の人が少量ずつ捨てた物の記録を全部とるのは難しいことです。また輸入製品は関税を取る所までの記録はありますが、その後、誰に売られたかは分かりません。そこで色々な業界が独自に調べたデータを集めたり、アンケート調査をしたり、複数の資料を組み合わせて特定の物の流れを推計したりする必要があるのです。調べた結果図は我が国の木質系残廃材を含めた木材フローの全体像を表しています。もっと詳しく、製材品・合板など製品ごとの流れや、残廃材の種類ごとにも分かっています。図は平成13年のものですが、例えば今年のフローを書くこともできます。ただし、各数値は最も確からしい資料のものを使っているので、数値間の矛盾が少しあったり、多種多様な木製品利用からの残廃材の全ては調べきれないなど、まだ問題はあります。結果から分かることフロー図から我が国の木材がどのように使われているのかが分かります。例えば木材を一番使っているのは3,600万m3を消費する紙部門ですが、解体材チップはわずかしか使っていないことや、木材一次製品の6割にあたる2,200万m3が投入される建築部門で、例えば建築木造率35%が最大の70%になったら建築木材需要は1.6倍の3,500万m3になり、その結果素材需要はさらにその倍近くに増えることなどです。また製材工場など木材工業の残材は94%が何らかの再資源化がされていますが、建築解体材などの木材製品利用残廃材はおそらく1,500万m3以上が、平成13年時点では無駄に焼かれたり埋められており、今後エネルギー利用に振り向けられる可能量なども分かります。本研究は農林水産技術会議受託費、「農林水産バイオリサイクル研究」及び「森林・林業・木材産業分野における温暖化防止機能の計測・評価手法の開発」による成果です。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | 加工 省エネ・低コスト化 輸出 |