タイトル | 簡易レールによる新たな森林資源収穫システムを開発! |
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担当機関 | (独)森林総合研究所 |
研究期間 | |
研究担当者 |
陣川 雅樹 山口 浩和 中澤 昌彦 山田 容三 近藤 稔 佐竹 利昭 蓬莱 圭司 |
発行年度 | 2006 |
要約 | 森林内に散在する森林バイオマスや間伐材を効率的に収穫するため、モノレールの技術を応用して、機動性に優れた簡易レールと、敷設装置、収穫搬出機械からなる収穫システムを開発しました。 |
背景・ねらい | 石油にかわる環境に優しい新たなエネルギー資源として木質バイオマスが注目され、製材工場で発生する残廃材や建築廃材の利用が始まっています。しかし、地形が複雑で急峻な我が国では、森林内で発生する森林バイオマスを効率的に収穫する方法がないため、放置されているのが現状です。そこで、急傾斜地を安全に、安定して走行することができるモノレールの技術を応用して、森林内に散在する森林バイオマスや間伐材を効率的に集めることができる森林資源収穫機械を開発しました。 |
成果の内容・特徴 | 森林資源収穫機械の開発森林内に散在する森林バイオマスや間伐材を効率的に集めるためには、機動性や簡便性に優れ、多目的に利用できる機械の開発が必要です。そこで、以下の機械・装置を開発しました
収穫機械の性能各車両の最大登坂能力は35度、運搬車両の走行速度は33m/分で、作業員2名によって収穫作業が行えます。レールの敷設・撤去試験を行った結果、レール敷設作業の能率は平均123m/日(図1)、撤去作業の能率は平均122m/日が得られ、既存の運搬用モノレールの1.5倍の速さでレールを敷設することができます。収穫システムの適用範囲森林バイオマスと間伐材を同時に収穫する作業シミュレーションの結果、レールの総延長距離が300mまでが本収穫システムの適用範囲であり、200m前後がもっとも効率の良いことが明らかとなりました。また、上げ荷20m、下げ荷20mとなるレール配置が最適であり、この時の生産性は5.60m3/人・日となりました(図2)。本収穫システムを導入することにより、傾斜や立地条件により集材作業が困難であった林地においても、水平距離300m以下の範囲で集材が可能となります。また、間伐材のみならずバイオマス資源の有用な搬出手段として期待できます。 本研究は、農林水産省先端技術を活用した農林水産研究高度化事業「簡易レールを用いた森林資源収穫システムの開発」による成果です。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
図表5 | |
図表6 | |
カテゴリ | 傾斜地 収穫機 輸送 |