タイトル | 森林・林業・木材産業の将来を見通す |
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担当機関 | (独)森林総合研究所 |
研究期間 | |
研究担当者 |
岡 裕泰 立花 敏 久保山 裕史 野田 英志 |
発行年度 | 2006 |
要約 | さまざまな前提条件の下で、森林資源、木材生産等の将来動向を見通すために、森林資源モデル、木材需給モデル、労働力・生産性・生産量を統合した林業セクターモデルなどを開発し、概ね2020年に至る森林・林業・木材産業の将来予測をまとめました。 |
背景・ねらい | 森林総合研究所では、『森林・林業・木材産業の将来予測 -データ・理論・シミュレーション-』を、2006年12月に日本林業調査会から刊行しました。 この本は、森林総合研究所のプロジェクト研究「森林・林業の資源的、社会経済的長期見通し手法の開発」(2003~2005年)の成果を中心にまとめたものです。日本と世界の森林・林業セクターを包括的に取り上げ、森林資源、林業、木材産業、山村について、現状を踏まえて2020年を射程に入れたシミュレーション分析を行い、日本林業の将来を予測したものです。本書が、森林・林業研究の深化のみならず、森林・林業・木材産業の将来を見通す一助となることが期待されます。 |
成果の内容・特徴 | 出版の意図本書は、次のことを念頭においてまとめました。まず、森林・林業の実情と将来について、広く国民の理解を得るために、森林・林業・木材産業の変化の状況を具体的なイメージのもとに、わかりやすく提示すること。また、森林・林業政策を的確に展開するために必要な、森林・林業・木材産業の将来予測情報を提供すること。そして研究面では、森林・林業・木材産業が、長期的にどう推移するかを科学的に予測する手法を開発・改良し、いくつかのシナリオの下で、少なくとも2020年を射程に入れた見通しを行い、日本林業の将来を予測することです。 本書の内容本書は、5部20章と補章からなる462頁の少々分厚い本ですが、各章の始めには写真とわかりやすい要約を入れて、理解を助けています。
成果の一部を紹介します。まず、1)世界の木材需要は年率1%余りの増加が予測されます(図1)。その一方で、生産力の高い人工林の面積も増加しており(写真1)、需要の増加に匹敵する木材供給力の拡大により、木材需給の逼迫が長期的に生じることはないと予測されました。次に、2)日本の森林資源については、2020年には国内人工林の8割が41年生以上となり、41年生以上の蓄積量は2000年の3倍に増大すると予測されました(図2)。3)国内林業生産については、労働力の減少が予測されるものの、間伐の生産性を高めることによって(写真2)、今後数十年は蓄積の高まった人工林から間伐材生産量を大幅に増やすことが可能であると予測されました(図3)。 日本林業は今、充実する資源を活用し、動き始めようとしています。是非、本書を参考にして、読者の方々も日本林業の将来ビジョンを描き、議論していただきたいと思います。 本研究は、交付金プロジェクト「森林・林業の資源的、社会経済的長期見通し手法の開発」による成果です。 詳しくは『森林・林業・木材産業の将来予測:データ・理論・シミュレーション』(森林総合研究所編、日本林業調査会発行、2006年)をご覧ください。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
図表5 | ![]() |
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