トルコギキョウ切り花の受粉による花持ちの短縮

タイトル トルコギキョウ切り花の受粉による花持ちの短縮
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 花き研究所
研究期間 2001~2003
研究担当者 市村一雄
清水弘子
発行年度 2003
要約 トルコギキョウ小花において、柱頭から葯までの距離が短いと受粉しやすく、柱頭の受粉量が多いほど、エチレン生成の上昇が早まり小花の花持ちが短縮する。
キーワード トルコギキョウ、花持ち、受粉、エチレン
背景・ねらい
トルコギキョウは様々な花色、花形の品種が育成されており、その花持ちは比較的よい切り花であるが、品種間差がある。また、トルコギキョウはエチレンに対する感受性が比較的高く、人工受粉により花持ちが短縮することが明らかにされている。そこで、柱頭から葯までの距離という指標を用いて、受粉のしやすさや受粉量が花持ちに及ぼす影響を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.
トルコギキョウ13品種の小花において、柱頭から葯までの距離と受粉花の割合は高い負の相関関係にあり、柱頭から葯までの距離が短いほど受粉しやすい(図1)。
2.
柱頭の全面に受粉する処理では、柱頭の1/8の面積に受粉する処理に比べて花持ちが短縮する(図2)。
3.
柱頭の受粉面積が大きいほど小花のエチレン生成の上昇は早まり、エチレン生成量も多くなる(図3)。
4.
以上の結果から、柱頭から葯までの距離が短いと、柱頭に多量の花粉が付着し、花持ちが短縮する可能性が高まると判断される。
5.
受粉による花持ちの短縮を抑制するには、柱頭の受粉面積が大きいほど、高濃度のチオ硫酸銀錯塩(STS)処理が必要である(図4)。
成果の活用面・留意点 1.
柱頭から葯までの距離は、受粉による花持ち短縮のリスクを避けるという点で、花持ちに関する育種を行う際に有用な指標になり得る。
2.
小花に2mM STSを処理すると柱頭の褐変などの薬害がみられることがある。
図表1 212798-1.gif
図表2 212798-2.gif
図表3 212798-3.gif
図表4 212798-4.gif
カテゴリ 育種 受粉 トルコギキョウ 品種

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