トルコギキョウ切り花におけるスクロースの前処理による障害葉発生回避

タイトル トルコギキョウ切り花におけるスクロースの前処理による障害葉発生回避
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所
研究期間 2004~2006
研究担当者 市村一雄
湯本弘子
発行年度 2006
要約 トルコギキョウ切り花において、前処理時に4%スクロース処理を行う場合は処理時の相対湿度を高めると障害葉発生のリスクが低減する。
キーワード トルコギキョウ、花持ち、スクロース、障害葉、相対湿度
背景・ねらい  近年、消費者の人気が高まっているトルコギキョウでは、切り花の花持ち延長、つぼみの開花促進、花色発現等にスクロースの前処理が有効である。前処理時に高濃度のスクロースを処理した場合、葉に障害が発生することがある(第1図)。障害葉の発生を回避し、かつ花持ち延長に効果的なスクロースの前処理条件を明らかにする。 
成果の内容・特徴
  1. 品種‘ミラコーラル’に0%(蒸留水)、2%および4%スクロース溶液を、茎の切り口から吸収させた。処理時の相対湿度は53%、71%、86%の3区を設けた。
  2. 切り花の処理液の吸収量とそれに伴うスクロース吸収量は相対湿度が低いほど増加する(第1表)。
  3. 4%スクロース処理では相対湿度が低いほど障害葉発生個体率が増加する。一方、2%スクロース処理はいずれの相対湿度条件下でも障害葉の発生がみられない(第1表)。
  4. 花持ちはいずれの相対湿度条件下においても4%スクロース処理で最も延長する。また、最大開花率はいずれの相対湿度条件においても高い値を示す。一方、2%スクロース処理では53%RH条件において他の相対湿度条件に比べて花持ち延長し、高い最大開花率を示す(第1表)。
  5. 以上により、4%スクロースの前処理を行う場合は処理時の相対湿度が高い条件で処理を行うと障害葉の発生が抑制され、なおかつ花持ちが延長する。処理時の相対湿度が低い場合はスクロース濃度を下げて処理を行うことも、障害葉の発生を回避しながら花持ち延長効果を得るには有効である。
成果の活用面・留意点
  1. 本実験の花持ちの結果はスクロース処理後切り花を蒸留水に挿し、23℃、相対湿度70%、光強度10μmol・m-2・s-1 、12時間日長条件で保持して得られたものである。
  2. 本実験は品種‘ミラコーラル’を用いて、前処理温度23℃で得られた結果である。品種、栽培環境および処理温度などによって障害葉が発生する相対湿度条件は異なると考えられる。
図表1 212825-1.jpg
図表2 212825-2.jpg
図表3 212825-3.gif
カテゴリ トルコギキョウ 品種

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる