タイトル | キクわい化ウイロイドの感染状況と全塩基配列の比較による変異体の確認 |
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担当機関 | (独)農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所 |
研究期間 | 2005~2006 |
研究担当者 |
伊藤陽子 月星隆雄(畜草研) 松下陽介 築尾嘉章 |
発行年度 | 2007 |
要約 | キクわい化ウイロイド(CSVd)の感染が疑われる各種栽培ギクを国内10県から採集したところ、その9割以上からCSVdが検出され、多くのキク生産地域で感染が拡大していることが明らかになった。また、現時点で本ウイロイドには塩基配列が異なる8種類が認められ、うち2種類は新規変異体である。 |
キーワード | キク、キクわい化ウイロイド、CSVd、変異体 |
背景・ねらい | キクは花き類の中で生産量・栽培面積ともに1位である重要品目であり、全国各地に産地が存在する。キクは、キクわい化ウイロイド(Chrysanthemum stunt viroid、以下CSVd)を病原とするキクわい化病に感染すると、ほとんどの品種において草丈が著しくわい化し、商品価値を完全に失う。1977年に国内で発生が報告されて以来、各地で発生が報告されているが、網羅的な調査はなされていない。そこで、各地のキクおよび花き研で収集・保存している野生ギクにおけるCSVdの感染状況とその塩基配列を調査する。 |
成果の内容・特徴 | 1.RT-PCRの結果、感染が疑われる89サンプル中36サンプルからCSVdが検出された。また、RT-PCRで検出されなかった53サンプル中44サンプルがnested PCRでCSVdが検出された。nested PCRでも検出されなかったサンプルは9個体であった(表1)。 2.輪ギク、スプレーギク、小ギクの全てタイプのキクからCSVdが検出されたことから、キクのタイプに関係なくCSVdが感染すると判断される。 3.花き研で保存している野生ギクからもCSVdが検出されたことから、野生ギクにもCSVdが感染すると判断される。しかし明白な病徴は見られない。 4.今回のサンプルから5種類の塩基配列が異なるCSVd変異体が検出された(表2)。変異体5(AB279771)は栽培ギクから、変異体4(AB279770)はナカガワノギクからそれぞれ分離された新変異体である。既知の変異体3種類と合わせると8種類の変異体が存在する。 5.CSVdの21分離株のうち14株は変異体1(X16408)であり、変異体1は最も高頻度(10県中6県で検出)に検出されたことから、日本で優占的に分布するCSVd系統と推定される。 |
成果の活用面・留意点 | 1.国内各地におけるキクのCSVdの感染状況の参考資料となる。 2.野生ギクもCSVdの宿主となることから、感染源とならないように取り扱いに注意する必要がある。 |
図表1 | |
図表2 | |
カテゴリ | きく くわい 品種 |