タイトル |
トラクタにオフセットで装着する果樹用中耕除草機 |
担当機関 |
生物系特定産業技術研究推進機構 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
久保田太郎
宮浦友宏
小川幹雄
大森弘美
長木 司
藤井幸人
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発行年度 |
1997 |
要約 |
果樹園における中耕除草作業の省力化を目的とした、トラクタ用のオフセット型作業機である。作業部の交換によって中耕又は草刈り作業に利用することが可能で、地上高の低い作業部が樹冠下に進入できるので、能率的な管理作業を行うことができる。
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背景・ねらい |
果樹の樹冠下部分の中耕や草刈りは、従来の作業機では能率的な作業が困難であるため、現状では除草剤が一般的に利用されている。しかし、地力向上や環境保全、果実に対する消費者の志向等を背景として、機械的な中耕除草への要望が高まってきている。このような背景から、樹冠下作業に適した中耕除草用作業機を開発した。
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成果の内容・特徴 |
- トラクタ用のオフセット型作業機であり、後部三点リンクヒッチに取付ける①主フレーム、②作業部、主フレームと作業部を連結する③支持アームからなる(図1、図2)。支持アームは主フレーム端部から前方に延びており、その先端部に装着した作業部は、トラクタ後車輪の右横に位置する。作業部の駆動、オフセット量の調節等は油圧式であり、トラクタ中心から175~215cmの範囲でオフセット量の調節が可能である(表1)。また、支持アームを後方に回動することにより、作業部をトラクタの車幅内に収納することができる。
- わい性台リンゴほ場における作業能率は、草刈りが 15~20a/h(樹列間+樹冠下作業)、 中耕では 30~50a/h(樹冠下往復1行程作業)である(表2)。また所要動力は、草刈り作業時が5.6~7.4kW(8~10PS)、中耕作業時は3.7~5.1kW(5~7PS)である。
- 開発機の特徴は以下のとおりである。
(1) トラクタは樹列間を走行しながら、地上高の低い作業部が樹冠下に進入できるので、従来の作業機では困難な樹冠下の管理作業を能率良く行うことができる。 (2) 簡単な操作で作業部の着脱が可能であり、アップカットロータリ又はフレールモアを適宜装着することによって、栽培体系に応じた作業ができる。また、いずれの作業部にも幹周モアの装着が可能で、これによって幹周部の除草を能率良く行うことができる。 (3) 作業部は4個の案内車輪によって支持されており、さらに支持アームとの連結部が前後左右に揺動可能な機構になっているので、地表面の起伏に柔軟に追従することができる。
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成果の活用面・留意点 |
- 高性能農業機械実用化促進事業に移行し、市販化の予定。
- 樹冠下作業を能率良く行えるので、除草剤無しまたは使用量を大幅に節減した作業に改善できるほか、有機物や肥料のすき込みによって資材の有効利用が図れる。質量が比較的小さいトラクタを利用する場合は、車輪の分担荷重を適正に保つよう留意する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
病害虫
栽培体系
市販化
省力化
除草
除草機
除草剤
りんご
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