冷温高湿貯蔵によるカンキツ「清見」の長期品質保持

タイトル 冷温高湿貯蔵によるカンキツ「清見」の長期品質保持
担当機関 果樹試験場
研究期間 2000~2001
研究担当者 高原利雄
緒方達志
藤澤弘幸
発行年度 2000
要約 カンキツ「清見」は、乾燥予措を施さずに、温度5~6℃、相対湿度 98% 以上と する冷温高湿貯蔵により果皮障害が抑制され、5ヶ月以上の長期間、商品価値の高い外観及び食味品質を保持することができる。貯蔵中の腐敗、カビの発生は、オゾンと負イオンにより低減できる。
背景・ねらい カンキツ「清見」は果実品質が優れるものの、収穫後あるいは貯蔵後に果皮に生理障害が発生し、著しく商品価値をそこねる場合がある。冷温高湿貯蔵は、果実からの水分損失を抑制し青果物の貯蔵期間を著しく延長する技術である。そこで、貯蔵湿度が「清見」の果皮障害に及ぼす影響を検証し、冷温高湿貯蔵技術を活用した長期貯蔵を試みた。
成果の内容・特徴
  1. 「清見」果実を、乾燥予措を施さず、相対湿度 98% 以上の冷温高湿庫に貯蔵した場合、果皮障害の発生及び果皮の萎れは軽微にとどまり、5ヶ月以上の期間、新鮮な外観を保持することができた(図1、2)。
  2. 「清見」の果実品質は、貯蔵中に酸度が低下し糖度は保持されるため、糖酸比が向上した(表1)。食味は、5℃の温度で6ヶ月以上貯蔵した後でも、ややおいしいと評価された(図3)。
  3. 冷温高湿貯蔵では果実の腐敗やカビが発生しやすいため殺菌装置を併用した。庫内にオゾンと負イオンを、各々 50 ~ 120ppb、2~8× 104 個/cm3濃度で充満させることにより、貯蔵期間中、カビ類の発生はほとんど見られなかった。
成果の活用面・留意点
  1. 乾燥予措は果皮障害を助長するので、収穫後速やかに貯蔵を開始する。
  2. 貯蔵温度2℃以下では、果皮に低温障害が発生する。また、10℃ 以上の高温では減酸が進み味ぼけするので、貯蔵温度の設定には注意が必要である。
図表1 213000-1.jpg
図表2 213000-2.jpg
図表3 213000-3.jpg
図表4 213000-4.jpg
カテゴリ 乾燥 生理障害 長期保存・貯蔵 品質保持 保存・貯蔵 良食味 その他のかんきつ

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