カンキツ用の非破壊型選果機の有効利用法

タイトル カンキツ用の非破壊型選果機の有効利用法
担当機関 四国農業試験場
研究期間 1998~2000
研究担当者 長谷川美典
吉川(山西)弘恭
中尾誠司
中島教博
伊庭慶昭
発行年度 2000
要約 カンキツの選果場で稼働中の非破壊型選果機は、糖度の測定精度は高いが酸度については若干の問題がある。産地活性化のため、非破壊型選果機の特性を十分把握し、ばらつきの少ない果実販売と適正な栽培指導が必要である。
キーワード 選果場、非破壊型選果機、糖度、測定精度
背景・ねらい 外国産カンキツ果実の輸入増加に対抗するため、国内産カンキツ果実の高品質化は必須の条件となっている。そのため、非破壊型品質評価システムが多くのカンキツ産地の選果場に導入され、個々の果実の品質が容易に測定できるようになってきた。しかし、多くの選果場では、非破壊型選果機が有効に利用されていないことが多い。そこで、高品質果実販売戦略を立てるために、非破壊型選果機の実態を明らかにし、非破壊型選果機の有効利用を図る。
成果の内容・特徴
  1. 糖度の非破壊測定においては、選果機の機種間差があるものの、従来からの破壊検査と0.9以上の高い相関が見られる(図1)。一方、酸度の測定精度については、0.4~0.5と相関が低い(図2)。同じ果実を繰り返し選果した場合の読みとり誤差は、糖度で0.2~0.6度、酸度で0.05~0.09%である。
  2. 園地、樹体ごとに選果データをとることで、同一品種(宮川早生)でも、農家・園地・樹体によって、大きな品質間差、ばらつきがあることが明らかになり(図3、4)、非破壊型選果機を導入することによって、品質の悪い果実を確実に除くことができ、高価格販売が可能となるとともに、高品質果実生産のための栽培指導も容易になる。
  3. 非破壊型選果機を有効利用し、優良な産地となるためには、(1)非破壊型選果機で厳選した高品質果実を特選商品として販売し、(2)一箱内の果実の味のばらつきを少なくするとともに、(3)選果場の効率化・作業の簡素化を行い、(4)品質の悪い園地、生産者へは、品種更新、マルチ栽培、排水改善などの的確な指導を行う必要がある(図5、6)。
成果の活用面・留意点
  1. 非破壊型選果機導入の際には、選果機の部分のみならず、集出荷全体で利用形態を考える必要がある。
  2. 産地活性化のためには、選果データを農家に還元できるソフト面の充実が必要である。
  3. 酸度については、利用の仕方を考慮するとともに、早急な精度向上のための対策が必要である。
図表1 213002-1.jpg
図表2 213002-2.jpg
図表3 213002-3.jpg
図表4 213002-4.jpg
図表5 213002-5.jpg
図表6 213002-6.jpg
カテゴリ 温州みかん 出荷調整 品種 その他のかんきつ

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