果肉が軟らかく、甘味の多い早生のビワ新品種「麗月」(ビワ長崎7号)

タイトル 果肉が軟らかく、甘味の多い早生のビワ新品種「麗月」(ビワ長崎7号)
担当機関 長崎県果樹試験場
研究期間 1973~2001
研究担当者 一瀬 至
橋本基之
森田 昭
寺井理治
浅田謙介
中尾 敬
吉田俊雄
富永由紀子
長門 潤
佐藤義彦
稗圃直史
福田伸二
発行年度 2001
要約 ビワ新品種「麗月」は、「森尾早生」に「広東」を交雑して育成した早生系統である。果形が円形、果皮色及び果肉色が黄白色で、果肉が緻密で軟らかく、甘味が多く食味良好な、がんしゅ病(A、B系統)抵抗性系統であり、施設栽培に適する。
キーワード ビワ長崎7号、早生系統、がんしゅ病抵抗性、施設栽培、食味良好
背景・ねらい ビワ栽培においては、収穫調整・出荷に労力が集中する。ビワ産地の品種構成は依然として1産地1品種の形態を呈し経営規模の拡大が困難となっている。このため、既存の品種とは熟期が異なり、良質で耐病性等の形質を備えた新品種の育成をめざした。本品種は早生で、果実品質が優れた品種を育成するために行った交雑により得られた実生から選抜したものである。
成果の内容・特徴
  1. 1976年(昭和51年)に早生品種である「森尾早生」に良食味である「広東」の花粉を交配して育成した系統である。
  2. 1980年(昭和55年)に圃場に定植し、1988年(昭和63年)に1次選抜した。1996年(平成8年)より「ビワ長崎7号」とし、ビワ第2回系統適応性検定試験に供試した。その結果、2001年(平成13年)度系統適応性検定試験成績検討会において新品種候補にふさわしいと合意が得られた。
  3. 樹姿は直立性で、樹勢は中~強であり、がんしゅ病(A、B系統)抵抗性である。枝の発生密度は粗で「茂木」よりやや少ない。花房の着花性は「長崎早生」よりやや落ちるが実用上は問題ない。開花期は「長崎早生」と同時期である。施設栽培した場合、収穫期は「長崎早生」より3~4日程度遅く、「茂木」及び「房光」より 10~11日程度早い早生種である(表1、表2)。
  4. 果実の大きさは、平均で52g、「長崎早生」及び「茂木」より約10g大きい。果形は円~扁円で果皮色は黄白色~やや赤みを帯びた黄白色で、果肉色は黄白色のいわゆる白ビワである(図1)。施設で栽培した場合は、裂果やそばかす症の発生がかなり抑えられ外観は良好である。酸含量はやや高いが糖度は安定して高く、果肉が緻密で軟らかいため、食味は良好である(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 露地で栽培した場合は、寒害を受けやすく、果皮障害が発生しやすいため、施設栽培が望ましい。
図表1 213025-1.jpg
図表2 213025-2.jpg
図表3 213025-3.jpg
カテゴリ 経営管理 栽培技術 施設栽培 出荷調整 新品種 そば 抵抗性 びわ 品種 良食味

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