高温の食用油に浸漬して行う効率的なクリの渋皮剥皮法

タイトル 高温の食用油に浸漬して行う効率的なクリの渋皮剥皮法
担当機関 果樹試験場
研究期間 2001~2003
研究担当者 正田守幸
齋藤寿広
澤村 豊
壽 和夫
発行年度 2001
要約 加熱したコーンオイル中にクリの果実を短時間浸漬処理する渋皮剥皮法である。本法は従来の剥皮法と比較して短時間の処理で剥皮が促進されるため、クリの渋皮剥皮性育種における剥皮性評価法やクリを原料とする食品加工分野への利用が可能である。
キーワード クリ、渋皮剥皮法、育種、評価法、食品加工
背景・ねらい クリの渋皮を剥皮するには多大な労力と時間を要し、クリを加工するうえで大きな問題となっている。また、育種における渋皮剥皮性の評価は主に焼きグリを作成して行っているが、多数の個体の調査には時間と労力を要する。そこで簡便で効率的な渋皮剥皮法を開発することを目的とする。
成果の内容・特徴
  1. 加熱したコーンオイルの中に鬼皮を除去したクリの果実を浸漬する方法(High- temperature Oil Peeling; 以下HOP法とする。)によって渋皮を除去する剥皮法である。
  2. ニホングリ、チュウゴクグリおよびこれらの雑種を含む品種、系統のいずれについても190℃で2分間程度処理することによって最も効果的に剥皮することが可能であった(図1および図2)。
  3. 本法で処理した果実は焼きグリや蒸しグリと比較して短時間で剥皮を行うことが可能である(表1)。
  4. 本法で処理した果実は渋皮のみが剥離されるため、剥皮後の果実表面に凹凸を残したまま仕上げることができる(図3)。
  5. チュウゴクグリおよびニホングリとチュウゴクグリの雑種後代個体に適用した場合に極めて効果が高い。
  6. 温度制御可能な市販の電気調理器を用いて処理することが可能であるため、特別な施設や装置を必要としない。
成果の活用面・留意点
  1. 短時間の加熱処理で剥皮が促進されるため、大量の個体を扱う育種への利用が可能である。
  2. コーンオイルの他ベニバナ油など他の植物油を使用しても同様の効果が得られる。
  3. 剥皮された果実の表面がきれいなため食品加工分野などへの利用が期待される。
  4. 処理した果実の表面に付着した食用油は食品用界面活性剤などを用いて除去することが可能である。
図表1 213026-1.jpg
図表2 213026-2.jpg
図表3 213026-3.jpg
図表4 213026-4.gif
図表5 213026-5.gif
図表6 213026-6.gif
図表7 213026-7.jpg
カテゴリ 育種 加工 くり 評価法 品種 べにばな

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる