米国および欧州ブドウにおける肉質の変異

タイトル 米国および欧州ブドウにおける肉質の変異
担当機関 果樹試験場
研究期間 1996~2001
研究担当者 佐藤明彦
山田昌彦
発行年度 2001
要約 生食用ブドウとして望ましい歯切れが良く硬い肉質を持つ品種は、ほとんど欧州ブドウ生食用品種群のみに認められ、欧州ブドウ醸造用並びに生食醸造兼用品種群の肉質は、軟らかい品種に偏っている。米国ブドウは歯切れがよい品種ほど軟らかくなる。
キーワード ブドウ、肉質、硬さ、生食用、醸造用
背景・ねらい ブドウはその由来によって大きく欧州ブドウと米国ブドウに分かれ、その中でも用途によって生食用、醸造用および兼用品種に分かれている。欧州ブドウと米国ブドウの肉質には大きな種間・品種間差異があり、これまでにレオメーターによる器械的指標である変形量は果肉の歯切れの良さと、最大破断力は果肉の硬さと相関が高いこと、生食用品種として望ましい「歯切れが良く硬い」(クリスプな)肉質は、変形量が小さく、かつ最大破断力が大きいことを明らかにした。さらに、この2つの器械的指標によって生食用ブドウの品種間差異を表すことができた。しかし、醸造用品種や生食・醸造兼用品種の肉質は、器械的指標によっては明らかにされていない。そこで、レオメーターを用いて生食用品種だけでなく醸造用品種や兼用品種についても肉質を測定し、ブドウの肉質の変異の全体像を明らかにするともに、「歯切れが良く硬い肉質」を持つ品種がどの品種群に見いだされるかを明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 米国ブドウ生食用および兼用品種群は変形量の変異が大きく、最大破断力も欧州ブドウ生食用品種群と同程度に大きい(表1、図1)。
  2. 欧州ブドウ生食用品種群は変形量が小さく(歯切れが良く)、最大破断力が大きい(硬い)品種が多い(表1、図2)。
  3. 欧州ブドウ醸造用品種群および兼用品種群の変形量は生食用品種群より変異が大きいが、最大破断力は小さく軟らかいものばかりである(表1、図2)。
  4. 米国ブドウ品種群においては変形量と最大破断力が正の相関を持つために、変形量が小さい品種ほど最大破断力が小さくなる(図1)。
  5. 生食用ブドウとして望ましい歯切れが良く(変形量 2.5mm以下)硬い(最大破断力0.9N以上)肉質を持つ品種は、欧州ブドウ生食用品種群で41%(11品種)、兼用品種群で8%(1品種)、欧州ブドウ醸造品種群と米国ブドウ品種群では1品種も認められない(図1、図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 得られた結果は育種における交雑親選択のため役立てることができる。
図表1 213031-1.jpg
図表2 213031-2.jpg
図表3 213031-3.jpg
図表4 213031-4.gif
図表5 213031-5.gif
図表6 213031-6.gif
カテゴリ 育種 くり 品種 ぶどう

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