リンゴ成熟果実からの高収率なプロトプラスト単離方法

タイトル リンゴ成熟果実からの高収率なプロトプラスト単離方法
担当機関 果樹試験場
研究期間 2001~2005
研究担当者 立木美保
田中敬一
村松 昇
発行年度 2001
要約 リンゴ成熟果実から、高品質なプロトプラストを単離するための条件を検討した。最適な酵素処理時間は、品種によって異なり、収量を増大させるためには、酵素処理前に組織をアスコルビン酸ナトリウム溶液で洗浄すること、酵素処理液中の100mMカルシウムイオンが有効である。
キーワード リンゴ、成熟果実、プロトプラスト
背景・ねらい プロトプラストは細胞内のオルガネラの単離や、細胞内への分子取り込み機構等の生化学的な解析には欠かせない。リンゴ果実からのプロトプラスト単離(直径100mm)の報告はあるが、我が国の成熟果実からのプロトプラスト化は困難とされていた。しかし、リンゴ果実成熟・老化現象を、細胞レベルで解析するためには、成熟果実からのプロトプラストの単離が必要である。そこで、リンゴ成熟果実からのプロトプラスト単離方法について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 酵素処理液として、5%セルラーゼ“オノズカ”R-10、0.05%ペクトリア-ゼY-23、100mM塩化カルシウム、1%アスコルビン酸ナトリウム、0.6Mマンニトール、100mM MES (pH5.9)を用いた(図1)。この方法により、直径200mm前後の大きなプロトプラストを効率よく単離できる。
  2. 「ふじ」、「陽光」、「王林」を用いて、酵素処理時間が収量及びその生存率に与える影響について解析したところ、それぞれ生存率の最も高かった時間は、4、5、8時間と品種により異なる(図2)。
  3. 酵素処理液中のカルシウムイオン濃度を0mM、1mM、10mM、100mMと変化させたところ、どの品種も100mMにおいて、最も収量が多い(図3)。
  4. 果実をスライスした後、酵素処理前に、1%アスコルビン酸処理を行い酸化抑制し、基質を除去すると、収量が2倍近くに増加し、プロトプラストの生存率も高い(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 単離したプロトプラストは、生化学的な解析に用いることができる。品種により、適当な処理時間が異なるため、留意する必要がある。
図表1 213039-1.jpg
図表2 213039-2.jpg
図表3 213039-3.jpg
カテゴリ 品種 りんご

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