着果量や日射量によってリンゴ果実のショ糖合成酵素活性は変化する

タイトル 着果量や日射量によってリンゴ果実のショ糖合成酵素活性は変化する
担当機関 (独)農業技術研究機構 果樹研究所
研究期間 2000~2002
研究担当者 吉岡博人
別所英男
発行年度 2002
要約 リンゴは着果量の制限や好的日射条件で果実のショ糖濃度が高くなり、ショ糖合成酵素活性も高くなる。
キーワード リンゴ、着果量、日射量、ショ糖合成酵素、ショ糖
背景・ねらい 光センサーを利用した非破壊内部品質評価による選果が普及しつつあり、品質が一定水準以上の果実を均質に生産することが求めらていれる。中でも果実糖度は内部品質として最も重要な要因となっている。糖は果実内で代謝変化を受けた後に蓄積されるが、栽培条件の適否によってこれらが影響を受けて、糖度が変動するものと考えられる。そこでリンゴで樹体の着果負担、光条件の違いが、果実内での糖代謝の変動に及ぼす影響の一端を解析して、高糖度の果実生産技術開発の基礎的知見を得る。
成果の内容・特徴 1.
リンゴふじを6月15日~収穫時まで 50% 遮光の寒冷紗を掛けた斜光処理区と、遮光処理しない対照区、及びつがるを1果そう1果の多着果処理区と4果そう1果の対照区を設け、果実内の糖濃度及び糖代謝活性に及ぼす影響を調査した。
2.
リンゴは、果実の着果負担が少なく、光条件がよいと果実内の糖濃度が増大し、とくにショ糖濃度が顕著に増加する(図1)。
3.
果肉新鮮重当たりのソルビトール脱水素酵素、インベルターゼ、ショ糖6-リン酸合成酵素活性は、生育・成熟期間を通じて着果負担や光条件の良否によってほとんど影響を受けない(データ省略)。
4.
ショ糖合成酵素は着果負担が少ない場合や光環境がよい場合に、活性が高くなる(図2)。
5.
リンゴ果実では、果実1個あたりの炭水化物の供給がよい場合(着果負担が少なく、光条件がよい場合)には、二糖類であるショ糖の合成が盛んとなり、このことによって果実内のモル濃度の上昇を抑え、細胞内の過度に膨圧を高めることなく果実1個あたりの糖類の蓄積量を増すと考えられる。
成果の活用面・留意点 1.
ショ糖の蓄積はショ糖合成酵素活性のみならず、ショ糖合成の前駆体と考えられるUDP-グルコース供給量等や液胞へショ糖を蓄積するトランスポーター等も、関与すると考えられ、これらの役割についても検討する必要がある。
2.
着果量・光環境条件の違いは糖の転流等の樹体生理にも影響する可能性がある。また、せん定強度や土壌条件、施肥などの違いによっても果実糖度が影響される可能性があるので、これらの影響についても検討する必要がある。
図表1 213072-1.jpg
図表2 213072-2.jpg
カテゴリ 栽培条件 施肥 光条件 りんご

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