タイトル | SSRマーカーによるマルメロの品種識別 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 果樹研究所 |
研究期間 | 2001~2005 |
研究担当者 |
山本俊哉 木村鉄也(種苗管理セ) 副島淳一 眞田哲朗 伴 義之(種苗管理セ) 林 建樹 |
発行年度 | 2003 |
要約 | ナシやリンゴで開発されたSSRマーカーを用いて、マルメロの品種識別及び親子関係の確認が可能である。 |
キーワード | マルメロ、SSR、品種識別、親子鑑定 |
背景・ねらい | マルメロは、バラ科ナシ亜科に属する果樹であり、果実の他にナシの台木として利用されている。形態からの品種識別が困難であり、またRAPDやアイソザイム等の従来の分子マーカーでは十分な多型が得られず、品種識別が困難である。 マルメロと同じナシ亜科に属するナシやリンゴで開発されたSSR(Simple Sequence Repeat)マーカーが、マルメロの品種識別に利用可能かどうかを検討し、さらに品種識別や親子の鑑定を行った。 |
成果の内容・特徴 | 1. ナシやリンゴ由来のSSRマーカー118種類を試したところ、約2/3にあたる77種類がマルメロで明確な増幅バンドを生じ、属を越えて利用可能である。そのうちの28種類のSSRマーカーがマルメロ品種間で多型を示し、品種識別に利用できる。 2. 多型を示した28種類のSSRマーカーから得られた合計88本のバンドを用いて品種識別を行ったところ、図1のように、マルメロ17品種を11のタイプに識別することができる。 3. 台木用の品種である「Sydo」、「Quince A」、「Quince B」、「Quince C」、「Vitory」、「Doue」、「BA-29」などは遺伝的に非常に近縁である(図1)。 4. 「Angers」と「Champion」、「在来種」と「Portugal」と「Acucar」、「C-98-4」と「Quince C」、「Quince A」と「Quince B」と「Sydo」は相互に識別ができず、このことから、枝変わり又は異名同品種の可能性がある。 5. 2ケ所(青森、長野)で保存されている「かおり」、3ケ所(秋田、青森、長野)で保存されている「スミルナ」は、それぞれ全く同じ遺伝子型を示したことから、クローンであることが確認される。 6. 「かおり」及びその両親とされる「スミルナ」、「在来種」の親子鑑定を行ったところ、両親由来の対立遺伝子が矛盾なく「かおり」に伝わっていることから、親子であることが確認される。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 枝変わりの場合に、今回使用したSSRマーカーでは判別できない。 |
図表1 | |
カテゴリ | 台木 ばら 品種 マルメロ りんご |