タイトル | ビワの交雑組み合わせにおける高糖度個体の出現率予測法 |
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担当機関 | 長崎県果樹試験場 |
研究期間 | 1973~2002 |
研究担当者 |
稗圃直史 福田伸二 寺井理治 |
発行年度 | 2003 |
要約 | ビワの交雑実生における選抜基準以上の糖度となる個体の出現率は、推定した親子回帰式及び家系内分散を用いることにより、平均親値から予測できる。 |
キーワード | ビワ、選抜基準、糖度、親子回帰式、家系内分散、平均親値、予測 |
背景・ねらい | ビワの交雑育種において合理的な交配計画を立てるには、主要な果実形質の遺伝様式を明らかにし選抜基準を超える個体の出現率を予測できることが望ましい。そこで、14品種・系統を交雑親とする21家系、各9個体を供試して、糖度における親子回帰式及び家系内分散を推定し、糖度の選抜基準を超える交雑実生の出現率の推定を可能とする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 子個体集団の全分散のうち、家系間分散は約18%で、家系内分散は約82%である。また、家系間分散と家系内遺伝分散を合わせた遺伝的な分散は約39%であると推定される(表1)。 2. 家系平均値の平均親値(両親の平均値)に対する親子回帰分析を行って推定された親子回帰式はy=0.704+0.976x(回帰係数は1%レベルで有意)であり、各交雑組み合わせの平均親値から家系平均値を推定することが可能である(図1)。 3. 平均親値から推定した家系平均値及び家系内分散のうちの遺伝分散の推定値を用いて、各選抜基準を超える遺伝子型値を持つ個体の出現率を推定できる(図2)。 4. 約400個体の交雑実生集団における糖度の観察値と理論値の分布を比較したところ、両者はおおむね一致し、推定値を参考に交雑組み合わせを決定することができる(図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 平均親値から糖度の選抜基準を超える子個体の出現率が予測できるので、合理的な交雑計画が可能となる。 2. 糖度は年次変動が大きいので、平均親値には年次変動を統計的に補正した値を用いる必要がある。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 育種 びわ 品種 |