ビワがんしゅ病抵抗性台木として利用可能なビワ品種「シャンパン」

タイトル ビワがんしゅ病抵抗性台木として利用可能なビワ品種「シャンパン」
担当機関 長崎果試
研究期間 1987~2003
研究担当者 富永由紀子
福田伸二
稗圃直史
寺井理治
長門潤
中尾敬
根角博久
発行年度 2004
要約  ビワ品種「シャンパン」はビワがんしゅ病(A,B,C系統菌)に抵抗性であり、「茂木」又は「長崎早生」との混植で得られる実生はビワがんしゅ病抵抗性台木として利用できる。
キーワード ビワ、ビワがんしゅ病、抵抗性、シャンパン、台木
背景・ねらい
 一般にビワの台木は共台で、長崎県では主に「茂木」実生が、千葉県では「楠」実生が使われている。しかし、それらの実生はビワがんしゅ病にり病性であり、苗木育成に際してビワがんしゅ病の防除に多くの労力を要している。そこで、ビワがんしゅ病抵抗性の遺伝資源を探索し、抵抗性台木として利用できるか検討した。
成果の内容・特徴 1.
「シャンパン」はビワがんしゅ病A、B、C系統菌のいずれにも抵抗性の品種である(表1)。
2.
「シャンパン」のビワがんしゅ病A系統菌抵抗性遺伝子型は優性ホモと考えられ、理論上り病性品種との組合せでも交雑実生は全個体が抵抗性を示す(表2)。
3.
「シャンパン」は「茂木」又は「長崎早生」と交雑すると、実生集団の約70%がビワがんしゅ病C系統菌に対して抵抗性を示す(表3)。
4.
「シャンパン」と「茂木」の組合せにおける2年生実生の生育は旺盛で比較的よく揃い、主幹径 8mm以下の生育不良個体は10%未満と少ない(図1)。
5.
「シャンパン」実生台に「福原早生」を接ぎ木した事例では、接ぎ木部が判別できないほど良く親和し、健全に生育する(表4)。
成果の活用面・留意点 1.
「シャンパン」は極早生の品種であり、果実の耐寒性に乏しいため、温暖な地域で栽培する必要がある。
2.
「シャンパン」は自家不和合性であり、「茂木」もしくは「長崎早生」栽培園に混植することで交雑種子が得られる。
3.
ビワがんしゅ病菌に対する抵抗性は、成葉の半分程度に展開した幼葉裏面の中肋部にビワがんしゅ病菌の108cells・ml-1懸濁液を昆虫針で付傷接種し、接種1~2か月後に判定した。
4.
ビワがんしゅ病A系統菌は長崎県をはじめとする「茂木」、「長崎早生」栽培地帯に、C系統菌は千葉県をはじめとする「田中」栽培地帯に主に分布する。B系統菌についてはは現在のところ長崎県のごく一部でしか分布が確認されておらず、多くの品種に抵抗性があり、実験的な遺伝様式の証明がされていない。
図表1 213123-1.jpg
図表2 213123-2.jpg
図表3 213123-3.jpg
図表4 213123-4.jpg
図表5 213123-5.jpg
カテゴリ 病害虫 遺伝資源 耐寒性 台木 接ぎ木 抵抗性 抵抗性遺伝子 びわ 品種 防除

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