オウトウの自家和合性及び耐寒性育種素材の選定

タイトル オウトウの自家和合性及び耐寒性育種素材の選定
担当機関 山形園試
研究期間 1988~2004
研究担当者 工藤信
石黒 亮
安孫子裕樹
阿部和幸
本間禎明
発行年度 2004
要約  オウトウ自家和合性育種素材として20品種・系統、耐寒性育種素材として3品種を選定した。そのうち、自家和合性の「Lapins」、「2N-37-6」、「V69068」、耐寒性の「Sapikisa」は、比較的果実品質が高く育種素材として注目される。
キーワード オウトウ、品種、系統、育種、自家和合性、耐寒性
背景・ねらい
 オウトウ栽培においては、受粉樹の混植が不可欠であることに加え、休眠期・開花期前後の低温による凍霜害により着果量が減少することも多く、農家経営の安定のために自家和合性及び耐寒性品種の開発が望まれている。そのため、昭和63年以降に国内外から導入した181品種・系統の果実特性や樹性等を調査し、自家和合性及び耐寒性品種開発のための育種素材を選定した。
成果の内容・特徴 1.
自家和合性は、品種・系統ごとに自家受粉を1~4年実施し、10%以上の自家結実率が得られた品種・系統を自家和合性と判定した。その結果、20品種・系統が自家和合性であった。また、これら20品種・系統のうち、15品種・系統は、PCR法によるS遺伝子型の判定から、「Stella」由来の自家和合遺伝子S4mを持つと推定された(表1)。
2.
耐寒性は、低温処理による小花被害率と自然条件での降霜時の小花被害率を調査し判定した。その結果、「Adriana」、「Norwegian」、「Sapikisa」の被害率が、一般的な栽培品種「佐藤錦」に比較して低く、耐寒性が高いと考えられた(表2、3)。
3.
自家和合性育種素材として選定した品種・系統のうち「2N-37-6」、「Lapins」、「V69068」、耐寒性育種素材として選定した品種のうち「Sapikisa」は、外観が良く、比較的食味も良好なことから、育種素材として注目される(表4)。
成果の活用面・留意点 1.
供試した品種・系統の中には試作契約等誓約書が必要なものが含まれる。
2.
自家結実率は、開花前にあらかじめ小袋で被袋し、満開期に筆先で受粉を行う方法により調査した。
3.
低温処理は、樹冠外周部の結果枝を用い、-5℃で1時間低温処理後、10℃/hrもしくは20℃/hrで降温し、-15℃に1時間遭遇させた。また、自然条件では、2002年4月6日と4月13日未明の降霜時の小花被害率を調査した。
図表1 213149-1.jpg
図表2 213149-2.jpg
図表3 213149-3.jpg
図表4 213149-4.jpg
カテゴリ 育種 おうとう 経営管理 受粉 耐寒性 品種 品種開発 良食味

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