タイトル | 最少マーカーセット選択プログラムMinimalMarker | |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 果樹研究所 | |
研究期間 | 2005~2005 | |
研究担当者 |
遠藤朋子 緒方達志 清水徳朗 大村三男(静岡大学) 池谷裕幸 島田武彦 藤井浩 |
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発行年度 | 2005 | |
要約 | 開発したプログラムは、多数の品種について多数のDNAマーカーを適用して得られた多型データから、最も少ないマーカー数で、すべての品種を判別するためのマーカーセットを検出するコンピュータプログラムである。 | |
キーワード | DNAマーカー、品種判別、多型、プログラム、最少マーカーセット | |
背景・ねらい | さまざまな作物でDNAマーカーが開発され、品種判別で利用されている。カンキツにおいても200を超えるDNAマーカーが開発され、品種判別への適用が進められている。品種を判別する際に、与えられた品種群を最少数のマーカーで判別できれば、時間やコストを節約できる。しかし、マーカー数や品種数が増えると、最適なマーカーセットを手計算で選択することは困難である。そこで、多数の品種に多数のDNAマーカーを適用して得られた多型データから、最も少ないマーカー数で、すべての品種を判別するマーカーセットをもれなく検出するコンピュータプログラムを開発する。 | |
成果の内容・特徴 | 1. 最少マーカーセットとは、複数の品種に対して複数のDNAマーカーを適用した多型データ(表1)におけるすべての2品種の組合せを少なくとも1つのマーカーで判別可能なDNAマーカーの組合せのことをいう。DNAマーカーを用いた電気泳動パターンから多型データを読み取る例を示す(図1)。また,最少マーカーセットにより,すべての品種が判別可能であることを樹形図で示す(図2)。 2. 最少マーカーセットを求めるためのプログラム「MinimalMarker」を開発した。 本プログラムはPerlで開発されている。 3. 計算のもととなる多型データは、共優性、優性のいずれでもよく、両者が混在していてもよい。また、倍数性や対立遺伝子の数も問わないので汎用性が高い(表1)。 | 4. 本プログラムには以下の計算オプションが付加されている。これらを組み合わせて異なる条件で計算を繰り返すことにより、単純な最少マーカーセットの選択だけでなく、マーカーの特性や品種判別実験の条件に適合する最適なマーカーセットを選択できる。 (1)少なくとも2つのマーカーで判別可能な最少マーカーセットを選択 (2)特定のマーカーが必ず含まれる最少マーカーセットを選択 (3)特定のマーカーを除外した最少マーカーセットを選択 (4)指定したマーカー数ですべての品種を判別可能なマーカーセットを選択 (5)特定の品種のみを判別する最少マーカーセットを選択 5. 31品種×53マーカーの多型データをWindows XP環境(インテル®Pentium®M 1.1 GHz、760 MB RAM)およびActivePerl 5.8.7を用いて計算した場合、マーカー数5の最少マーカーセットの全16セットを検出するのに要する時間は約7秒である。70品種×70マーカーの計算時間は約2日で,すべてのマーカーセットの検出を保障しない簡易高速計算モードでは100品種×100マーカーでも数十分で計算を完了する。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本プログラムの利用により、全ての最少マーカーセットを短時間で選択できる。最少マーカーセットの利用により品種判別作業が効率化され,時間やコストが節約できる。 2. 果樹研究所のホームページから誰でも利用できるようにする。 | |
図表1 | ||
図表2 | ||
図表3 | ||
カテゴリ | コスト DNAマーカー 品種 その他のかんきつ |