タイトル |
早生で結実・食味の良好なオウトウ新品種「紅ゆたか」(系統番号:オウトウ山形C7号) |
担当機関 |
山形農総研セ |
研究期間 |
1989~2006 |
研究担当者 |
石黒亮
西村幸一
阿部和幸
山口正己
本間禎明
安孫子裕樹
工藤信
丸川崇
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発行年度 |
2007 |
要約 |
オウトウ新品種「紅ゆたか」は、「ビック」に「C-21-7」を交雑して育成した早生系統である。「高砂」と同時期か数日早く収穫できる。結実良好で、果実は6~9gと早生種では大きく、食味良好である。本系統は「佐藤錦」等とは交雑和合性であるが、「高砂」、「紅さやか」、「紅てまり」等とは不和合性である。
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キーワード |
オウトウ、新品種、結実良好、食味良好、早生
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背景・ねらい |
オウトウ栽培においては、開花期前後の低温で訪花昆虫等による受粉がうまくいかず、着果量が減少することが多い。また、主力となっている「佐藤錦」の前に収穫可能で高品質な品種の開発が望まれている。そのため、結実・食味良好な早生種の育成を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 1990年(平成2年)に山形県立園芸試験場(現 山形県農業総合研究センター農業生産技術試験場)において「ビック」に山形農総研センター育成の早生系統「C-21-7」(「ビング」×「黄玉」)を交雑して育成した系統である。1999年(平成11年)に開始されたオウトウ第2回系統適応性検定試験に供試して特性を検討した結果、2006年(平成18年)の寒冷地果樹系統適応性・特性検定試験成績検討会において新品種候補として適当であるとの結論を得た。
- 果形は扁円形で縦径に比較し横径が広く特徴的である。果皮は赤色に着色する。果肉はクリーム色である。平均果重は6~9g、糖度は18~19%、酸度は0.6~0.8 g/100ml (リンゴ酸換算)で、甘味の質が濃厚で食味良好である。収穫期は「高砂」と同時期か数日早い早生種である(表1、表2、図1 )。
- 樹勢は中~やや強く「高砂」と同程度である。枝梢の発生は中、花束状短果枝の着生は多い。開花期は「佐藤錦」と比較して1~3日早く「高砂」と同時期または1~2日遅い。また、S(自家不和合性)遺伝子型はS1S6で「高砂」、「紅さやか」、「紅てまり」等と同一不和合群であるため、これらの品種と交雑不和合となるが、「佐藤錦」、「紅秀峰」等とは交雑和合性である(表2、表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 我が国のオウトウ産地の全域で栽培可能である。花芽の着生も良好で「佐藤錦」等、主要品種と交雑和合性であり、受粉樹に利用可能であると共に、当該系統は毎年安定して結実する。
- 灰星病、黒斑病、樹脂細菌病などオウトウの主要病害に対しては「佐藤錦」並の強さで、通常の薬剤防除で問題はない。また、完熟果収穫のため雨除け栽培が望ましい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
病害虫
おうとう
くり
受粉
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品種
防除
薬剤
良食味
りんご
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