タイトル | 種子分配・交換機構を装備した真空播種機によるてんさい直播試験法 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 北海道農業研究センター |
研究期間 | 1999~2001 |
研究担当者 |
岡崎和之 高橋宙之 大潟直樹 田口和憲 田中征勝 |
発行年度 | 2001 |
要約 | マガジンシステムを搭載した真空播種機の播種深度をてんさい用に改良することにより、高精度・高能率に播種できる。また,生育初期に欠株が生じた場合には、単純補正式から最低補償作用分の0.5本を引いた新補正式により、生産力の正確な評価が可能である。 |
キーワード | てんさい、直播試験法、マガジンシステム、真空播種機、欠株、根重補正法 |
背景・ねらい | てんさいの効率的な品種育成を行うためには、省力的で精度の高い直播試験法の確立が必要であり、特に均一かつ高精度な播種並びに効率的な作業が求められる。また、直播試験では欠株を生じることで、生産力の評価精度を著しく低下させることから、現在の品種の生態型、栽培環境に適合する新たな補正方法が必要である。そこで、種子分配・交換機構(マガジンシステム)を装備した真空播種機の播種深度調節部分をてんさい用に改良し、その播種精度を明らかにするとともに、本試験方法における生育初期の欠株の影響と生産力検定試験における根重補正法を検討し、本機を用いたてんさいの直播試験法を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 作畦輪(A)の角度調整盤(1)の拡大及び軸(2)を延長し、作畦輪及び排土盤(3)を移動することにより、限界播種深4cmがてんさいに最適の2.5cmに改良できる(図1)。 2. 本機は、連続種子分配・完全自動種子交換機構を有し、ほ場試験設計に対応して精密かつ均一に播種できる(図2)。 3. てんさい直播試験において、図3に示す試験設計の場合、作業員が3名、作業速度約1m/secにおける作業能率は25a/hである。 4. 図3に示す直播試験法で生育初期に欠株が生じた場合、隣接個体における根重の補償作用は概ね根重平均より25~35%程度であり、欠株1株あたりの最低補償作用は、0.5本分に相当する。このため、単純補正式から最低補償作用分の0.5本を引いた新補正式により、正確な生産力の評価が可能である(図4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. てんさい品種・系統の直播適性の解明に利用できる。 2. 裸種子では、種子の形状から播種盤孔への吸引がうまくいかず、2粒播きやミスプロットが増えるため、種子研磨・精選を徹底する必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | てんさい 播種 品種 |