寒地での単播アルファルファ1番草収穫後のとうもろこし簡易耕播種栽培

タイトル 寒地での単播アルファルファ1番草収穫後のとうもろこし簡易耕播種栽培
担当機関 (独)農業技術研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 1999~2002
研究担当者 松村哲夫
糸川信弘
池田哲也
発行年度 2002
要約 逆転ロータリをベースにした簡易耕播種機により、アルファルファ単播草地後にとうもろこしを省力的に播種することが可能である。株密度が低下し年間収量の減少が推定されるアルファルファ単播経年草地の更新時に、アルファルファ1番草の収穫後直ちにとうもろこしの播種が可能で、生育期間の短い寒地で草地更新年の収量の増加が可能である。
キーワード 草地生産管理、アルファルファ、とうもろこし、草地更新、簡易耕播種
背景・ねらい 経年アルファルファ草地更新年の栄養収量および乾物収量を確保するため、年間で最も多収・高品質のアルファルファ1番草収穫後のとうもろこし栽培が求められる。生育期間の短い寒地では、1番草収穫後直ちに播種する必要があるが、草地更新時の残根量が多いアルファルファでは、後作とうもろこしの播種作業性の低下やアルファルファ株の残存等が問題となる。効率的なアルファルファととうもろこしの輪作体系構築のため、逆転ロータリをベースにした簡易耕施肥播種機を用い、十勝中部畑作酪農地帯でのアルファルファ1番草収穫後(6月上旬)播種によるとうもろこし栽培の可能性を検討する。
成果の内容・特徴
  1. アルファルファ単播経年草地の株密度と年間収量の関係から、30株/m2前後まで株密度が低下すると、年間乾物収量800kg/10aを下回る可能性があり(図1)、草地更新の目安となる。
  2. 土壌表層を10cm程度浅耕し、施肥ととうもろこし播種を行う逆転ロータリベースの簡易耕施肥播種機(写真1)では、アルファルファの株が逆転ロータリにより切断され土中に埋没することにより株の残存が少なく、精度の高い播種が可能である(表1)。アルファルファ1番草収穫直後に簡易・迅速にとうもろこしを播種することができる。
  3. アルファルファ1番草収穫直後のとうもろこし播種(6月上旬)により、十勝中部(帯広)の平年並の気象条件では単純積算気温約2280℃が確保できる。とうもろこし早生品種(75~85日タイプ)が栽培可能であると考えられるが、85日タイプは年次によりやや不安定になる可能性がある(表2)。
  4. とうもろこし早生品種(75、85日タイプ)はアルファルファ1番草収穫後播種による栽培で黄熟初期に達し、アルファルファ1番草(乾物収量334kg/10a)との合計乾物収量は75日タイプで1568kg/10a、85日タイプで1632kg/10aが得られ、標準栽培した90日タイプの乾物収量を上回る(表3)。アルファルファ1番草収穫後のとうもろこし栽培により、飼料価値の高いアルファルファ1番草を収穫したうえで、年間合計の乾物収量を確保することが可能となる。
成果の活用面・留意点
  1. 十勝中部におけるアルファルファ単播栽培を中心とする輪作体系の構築に貢献できる。
  2. 地域、年次により1番草収穫期、年間の生育期間が異なるため、栽培可能な品種を確認しする。排水不良地では、作溝型サブソイラ等の排水対策を施す必要がある。ロータリ耕深の不足によるアルファルファ残株再生と雑草発生対策として、3~5葉期に適用除草剤による処理を確実に行う。
図表1 213321-1.gif
図表2 213321-2.gif
図表3 213321-3.gif
図表4 213321-4.gif
図表5 213321-5.gif
カテゴリ 病害虫 アルファルファ 寒地 雑草 除草剤 施肥 とうもろこし 乳牛 播種 品種 輪作体系

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