タイトル |
いちご新品種「けんたろう」の栽培指針 |
担当機関 |
道南農試 |
研究期間 |
2001~2001 |
研究担当者 |
中住晴彦
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発行年度 |
2002 |
要約 |
平成12年に育成したいちご新品種「けんたろう」は、苗の大きさおよび株間が収量に与える影響は小さく、基肥として窒素1.0kg/aを施用した本圃に遅植えにならないように定植し、越冬後、追肥として窒素0.5kg/aを施用し、多かん水で管理することにより高品質多収となる。
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キーワード |
いちご、定植時期、苗質、株間、施肥、かん水
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背景・ねらい |
道南農試で平成12年に育成した「けんたろう」は、高品質で秀品率が高く省力生産が可能なことから生産者の期待が大きいが、かん水量や施肥方法などの具体的な栽培指針が示されていないことから生産者や普及員の間で混乱が生じている。そこで、定植時期、苗の大きさ、株間、施肥方法、かん水量および秋保温が「けんたろう」の収量・品質に及ぼす影響を検討し、適正な栽培指針を策定する。
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成果の内容・特徴 |
- 定植時期:晩期(9/11)定植では、収量が慣行期(8/29)より低下するが、早期(8/21)定植については収量の低下は小さい(表1)。
- 定植時の苗の大きさ:越冬前の生育では大苗(葉数5~6枚)の方が中苗(葉数4枚前後)よりやや良好であるが、収量に対する苗の大きさの影響は小さい(表1)。
- 株間:大苗では30cmより25cmの方が収量はやや多いが、中苗では30cmと25cmの収量差は小さい(表1)。
- 施肥法:「北海道施肥ガイド」に準じた施肥法である基肥窒素1.0kg/a、追肥窒素0.5kg/aで多収を示す(表2)。
- かん水量:「けんたろう」は、「宝交早生」に適したかん水方法である多かん水栽培(起生期から開花期までpF1.8)で多収を示し(表3)、多かん水による糖度の低下も見られない。
- 秋保温:やむを得ず晩植えをする場合は、べたがけ保温を行うことによって生育がやや促進され、葉数・果房数がやや増加し、その結果「べたがけなし」よりも収量を増加させることが可能である(表1)。
- 「けんたろう」の栽培指針:施肥は基肥として窒素1.0kg/aを施用し、越冬後追肥として窒素0.5kg/aを施用する。晩期定植は避け、中苗あるいは大苗を用い、株間は25cmあるいは30cmとし、多かん水で管理する。「べたがけ」は、秋の生育を促進する効果があり、ある程度の増収が期待できるため、定植期が遅れた場合等には励行する。
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成果の活用面・留意点 |
- 本成績は「けんたろう」の普及促進に活用する。
- 本試験は渡島支庁(亀田郡大野町)における土耕栽培での結果であり、栽培地域によっては異なる反応を示すことがある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
いちご
栽培技術
新品種
施肥
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