タイトル |
ミカンキイロアザミウマの総合防除対策 |
担当機関 |
花野菜セ |
研究期間 |
1997~2002 |
研究担当者 |
柿崎昌志
橋本直樹
水島俊一
堀田治邦
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発行年度 |
2002 |
要約 |
寄生した苗や鉢物の持ち込みなど発生源への注意、発生の早期発見、化学的防除を主とした密度抑制、冬期間のハウスビニール除去による越冬阻止等を組合せることで本種の防除が有効に行える。
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キーワード |
ミカンキイロアザミウマ、有効薬剤、耐寒性、総合防除対策
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背景・ねらい |
ミカンキイロアザミウマは、体長1.5mm程の微小な昆虫で寄主範囲が広く、生態には不明な部分が多い。また、薬剤が効きにくいことなどから難防除害虫となっている。北海道内では、平成8年に発生が確認されたが、本種の道内における分布拡大を阻止するとともに、被害防止のために物理的、生物的、化学的手段を組合せた総合防除法を開発し実用化を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 道内での本種の発生は散発的で露地での越冬はみられない。そのため、発生原因は、(a)本種が寄生した苗の購入・栽培、(b)寄生した花き類鉢物等をハウスに持ち込み、作物で増殖、(c)前年発生したハウスで冬期間ビニールを除去しなかったため虫が越冬、という人為的な3つの類型に分けらる。
- 被害は、食害により葉の白~褐色斑やシルバリング(トマト、きゅうり、なす、きく等)、果こう部の褐色のカスリ症状(ピーマン、なす)、花弁・花器の食害痕(花き類、いちご)、果実表面の褐変(いちご)、産卵によるトマトの白ぶくれ症状、なすの着色不良斑を発生させる。寄生部位は、下位葉と花で多いのは、トマト、なす、きく等で、花で多いのは、ピーマン、いちごである。
- 発生ハウス内での青色粘着板調査では、春(5-6月)と秋(8中旬-10月)に捕獲数が多いが(図1)、適温で植物(特に花)があればいつでも増加する。ビニールを張った無加温ハウス内で越冬する。低温馴化した暗色型雌成虫の耐寒性は強く、-5℃での100%致死時間は28日間以上、-10℃でも6-7日間以上である。
- 防除法として、(a)表1に示した作物で、スピノサド剤、クロルフェナピル剤、エマメクチン安息香酸塩剤等の茎葉散布剤が効果が高い。(b)ククメリスカブリダニの放飼(100頭/株の3~6回放飼)で密度低減効果が認められる。(c)ハウス内の耕起処理は密度の低減がみられる。(d)冬期間にハウスのビニールを除去する方法(表2)が越冬を阻止する確実な方法である。また、道央以北の内陸部では、厳寒期に側窓を一定期間(-10℃以下、168時間以上)開放する方法も有効である。
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成果の活用面・留意点 |
- 各技術を図2のように組合せることにより、本種の総合的な防除対策として活用する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
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