衛星リモートセンシングによる効率的小麦収穫作業システム

タイトル 衛星リモートセンシングによる効率的小麦収穫作業システム
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2002~2004
研究担当者 奥野林太郎
岩田幸良
柴田秀己(JAめむろ)
道場拓也(JAめむろ)
発行年度 2004
要約 収穫開始1~2週間前の7月中旬に撮影された衛星画像から求めた正規化植生指数(NDVI)は小麦生育の早晩と高い相関を持つ。これより作成した小麦生育早晩マップを活用することで、共同利用時の収穫機械および乾燥調整施設の有効利用が可能である。
キーワード コムギ、衛星、リモートセンシング、収穫
背景・ねらい 北海道大規模畑作地帯の小麦収穫乾燥作業では、収穫機械および乾燥施設の共同利用が進んでいるが,栽培品種の寡占化や作付け面積の増加により施設・機械の競合がおこり適期収穫が困難になってきている。衛星リモートセンシング手法により小麦生育の早晩を推定する手法を開発し、これに基づき生育の早い場所から収穫することにより、収穫機,乾燥施設の効率的運用を実現する。
成果の内容・特徴
  1. 収穫開始1~2週間前に相当する7月中旬の衛星画像から求めた小麦圃場の正規化植生指数(NDVI,式1)は、収穫前の子実水分と高い相関を持ち、小麦生育の早晩の判断に利用できる(図1-a)。
  2. 5月上中旬の衛星画像の近赤外(IR)、NDVIは、生育初期の草丈や茎数と高い相関があり、これらより圃場の生育不良地点が特定できる。なお、生育良・不良の閾値は撮影画像と地上定点での生育状態によりに適切な値を求める。
  3. 生育不良圃場は収穫早晩推定精度低下の大きな要因であり、生育不良圃場を除くことで6月中旬の衛星画像からも、7月中旬の画像と比べ精度は低いものの生育早晩が推定できる(図1-b)。
  4. 開発したシステムでは、地上定点圃場での小麦子実水分と検証を行い、撮影時期別に衛星データの利用方法を変え生育早晩マップを作成し(図2)、収穫機配置の決定や乾燥施設での受け入れ水分の決定に利用する。
  5. 広域の小麦生育早晩を統一した尺度で順位づけることができるため、収穫子実水分の格差が減少してコンバインの負担面積が拡大する。また、乾燥調製施設への受け入れ水分の低下と均一化により、乾燥経費の節減が図られる(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 本技術は広域の小麦収穫作業や乾燥・整作業を行う農協、集団等で利用できる。
  2. 圃場内の生育早晩の格差がわかり、収穫場所の判断に利用できる。
  3. 5月初中旬撮影の衛星画像よる生育不良を特定する場合、衛星画像に薄曇りのような明るさのむらがある場合、近赤外単独の利用は精度が落ちるので使用しない。
  4. 本研究は北海道を対象とし、ホクシンで行ったものであり、品種が異なる場合は別に扱う必要がある。

平成16年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
課題名:「先端技術を活用した小麦適期収穫システム」(普及奨励)
図表1 213450-1.jpg
図表2 213450-2.gif
図表3 213450-3.gif
図表4 213450-4.gif
カテゴリ 乾燥 小麦 収穫機 品種 リモートセンシング

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