タイトル |
畜産施設におけるライムケーキコンクリート舗装の実用性 |
担当機関 |
道立畜試 |
研究期間 |
2002~2004 |
研究担当者 |
原 悟志
川本 哲
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発行年度 |
2004 |
要約 |
ライムケーキコンクリート舗装したパドック等は、施工後2年経過しても実用的に問題はない。ライムケーキコンクリート舗装は通常コンクリート舗装に比べて保温性が高く、衝撃に対する反発力が小さいことから、畜産用舗装材として有効である。
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キーワード |
ライムケーキ、パドック、堆肥盤、ウシ
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背景・ねらい |
ライムケーキを用いた舗装材(以下、ライムケーキコンクリート)が道立工業試験場で開発された。このライムケーキコンクリートは、ライムケーキ、固化剤、山砂等を原料とし、通常のコンクリートに比べて安価であるとともに、硬度が低いことから乳・肉牛のパドック舗装材および堆肥盤等の舗装資材に適していると考えられる。そこで、ライムケーキコンクリートの実用化を図るための一環として、ライムケーキコンクリート舗装の耐久性および利用性を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 施工時に降雨にみまわれた畜試のパドックでは、舗装面の剥離および進行性の深い崩壊が見られるが、その他の施設では、表面剥離および亀裂が認められたものの施工後2年経過しても実用的には問題のない程度である(表1)。
- 乳牛の利用は火山灰で多いが、コンクリート舗装と比較した場合、ライムケーキコンクリート舗装を多く選択し、横臥率も高い(表2)。
- ライムケーキコンクリート舗装はコンクリート舗装に比べて、保温性が高い(図1)。また、反発力の指標となる衝撃力等はライムケーキコンクリート舗装が低いことから、牛歩行時の蹄および横臥時の牛体への衝撃は少ないと考えられる(表3)。
- ライムケーキコンクリート製の堆肥盤でも、作業機械のタイヤのスリップはみられず、作業性はコンクリート舗装と変わらないものと考えられる。堆肥盤前面のショベルのバケットを降ろす部分で一部損耗の大きな箇所がみられるが、それ以外の部分では比較的良好な状態である(表4)。
- ライムケーキコンクリート舗装の施工費は11.4千円/㎡であり、コンクリート舗装(14.0千円/㎡)に比べて2割程度安価である。
- 以上のことから、ライムケーキコンクリート舗装パドックおよび堆肥盤等は、実用上、問題はないと考えられる。また、ライムケーキコンクリート舗装は通常のコンクリート舗装に比べて保温性が高いこと、衝撃に対する反発力が小さいことなどから、畜産用舗装材として有効と考えられる。
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成果の活用面・留意点 |
- 畜産施設の舗装材として利用できる。
- 凍上を抑制する必要がある場合は、適切な厚さの凍上抑制層を設けた凍上防止仕様とする。
平成16年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「畜産施設におけるライムケーキコンクリート舗装の実用性」(指導参考)
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図表1 |
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カテゴリ |
肉牛
乳牛
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