花色がピンクと黄色の二色咲きする小輪性スカシユリ新品種「Li-30」

タイトル 花色がピンクと黄色の二色咲きする小輪性スカシユリ新品種「Li-30」
担当機関
研究期間 2001~2005
研究担当者 大宮 知
玉掛秀人
生方雅男
発行年度 2005
要約 花ユリ「Li-30」はスカシユリ「紅胡蝶」と小輪性を有する場内保有系統を交配し、胚珠-胚培養法を利用して育成した2色咲きの小輪性品種である。小球開花性が高く、一年球を切花生産に利用できる。
キーワード ユリ、新品種、胚珠-胚培養、小輪、小球開花性
背景・ねらい
花ユリは北海道における主要な切花品目であるが、オリエンタル系品種への偏りが大きく、市場・流通関係者から嗜好の多様化や家庭消費による新たな需要の増加への対応のため、スカシユリ系やテッポウユリ系など多様な生産が求められている。また、産地からは道外産地との差別化を図れる独自品種の育成も望まれていることから、平成15年に従来品種にない小輪性のスカシユリ「きたきらり」を育成した。小輪性品種の普及を効果的に進めるためには花色の多様化が不可欠であることから、新たな花色の小輪品種の育成を行った。

成果の内容・特徴 1.スカシユリ「紅胡蝶」と小輪性の場内保有系統95AA69-3を交配し、胚珠-胚培養法を利用して得られた202個体の雑種から、花色・花形や草姿、増殖性等に優れる1系統を選抜し、小輪品種「Li-30」を育成した。
2.冷凍貯蔵球を用いた5月定植栽培での採花までの日数(在圃日数)は約56日で、草丈は約77cm(球周8-10cmの球根)である。
3.「Li-30」の花径は約10cmで花色は淡い黄色で花弁先が濃い桃色となる2色咲きで、開花後徐々に色調が変化し、全体的に淡い桃色となる(写真1,2)。斑点はほとんどなく、香りもない。
4.花房の形は総状(段咲き)で、花向きは垂直方向より約20度の上向き咲きであるため、花束やアレンジメントに使いやすく、輸送での箱詰めもしやすい(写真3)。
5.小さい球根でも花蕾が多くつき、球周8-10cm球でも5,6輪規格の切花を採花できる(表1)。
6.りん片挿しでは2.1gのりん片から約1.6個の一年球を形成する(表2)。一年球の肥大性は良好で、切花栽培に利用できる球周8cm以上の球根の占める割合は約30%である(表2)。

成果の活用面・留意点
1.普及対象地域は全道のユリ栽培地域とする。凍結貯蔵球利用による5月定植作型での成績であり、長期抑制および促成作型は未検討である。
2.小球開花性を有するため、球周8-10cmの球根を使用する。球周10cm以上の球根は花蕾数がやや多くなるので、作期や市場性を考慮して使用する。
3.防除管理等はスカシユリ系品種に準じて行う。
平成17年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
 「花ゆり新品種候補「Li-30」」(普及推進)
図表1 213603-1.jpg
図表2 213603-2.jpg
図表3 213603-3.jpg
図表4 213603-4.jpg
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カテゴリ 病害虫 栽培技術 新品種 品種 防除 輸送 ゆり

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