リパーゼ活性はソバ粉の脂質劣化に重要な役割を果たしている

タイトル リパーゼ活性はソバ粉の脂質劣化に重要な役割を果たしている
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2003~2005
研究担当者 本田裕
鈴木達郎
六笠裕治
発行年度 2005
要約
    ソバ粉貯蔵中の脂質劣化には、脂質分解・酸化酵素の中でも、リパーゼ(トリアシルグリセロールリパーゼ)活性が重要な役割を果たしている。
キーワード
    ソバ、ソバ粉、リパーゼ、劣化、脂質、酵素
背景・ねらい
    ソバ粉は製粉後に非常に貯蔵劣化しやすい。劣化の主な原因は遊離脂肪酸の増加や酸化であり、それには脂質分解・酸化にかかわる酵素反応が重要な影響を与えていると考えられている。しかし、それら酵素のうちどれが重要か不明なため、ソバ粉が劣化しにくい品種の育成は難しい。そこで食品の代表的な脂質分解・酸化経路(図1)の酵素群について14品種系統を用いて品種間差を明らかにし、ソバ粉貯蔵試験により脂質劣化に重要な役割を果たしている鍵酵素を明らかする。そして、その酵素を精製し、育種操作の際に重要な情報であるアイソザイムの有無を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. ソバ粉中のリパーゼ、リポキシゲナーゼ、パーオキシダーゼ活性には品種間差が認められる(表1)。
  2. 5℃・暗黒化・ポリエチレンバッグ(大気を充填)内にて4、10、30日間貯蔵試験を行ったところ、リパーゼ活性は貯蔵初期から脂質劣化指標(pH、水溶性酸度)との相関が高く、中性脂質の分解に重要な役割を果たしている(表2)。
  3. リポキシゲナーゼ、パーオキシダーゼ活性と、劣化指標の間には明確な関係が認められない(表2)。
  4. キタワセソバのソバ粉のリパーゼには、少なくとも2つのアイソザイムが存在する(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. リパーゼ活性の低い系統はタンパク質含量も低い傾向にあったので、選抜時には注意が必要である。
図表1 213610-1.jpg
図表2 213610-2.jpg
カテゴリ 育種 そば 品種

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