タイトル | 大豆遺伝資源の子実成分評価と主要作物遺伝資源の特性情報 |
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担当機関 | 資源貯蔵科 |
研究期間 | 2002~2005 |
研究担当者 |
越智弘明 千藤茂行 南忠 手塚光明 千田圭一 原田竜一 本間昭 |
発行年度 | 2005 |
要約 | 大豆の子実成分の測定から豆腐用等に有望な遺伝資源が33点ある。これらは品質育種の母材選定に活用できる。また、水稲、麦類、豆類の遺伝資源4,646点について特性調査を実施して有望な遺伝資源を抽出した。これらは育種素材選定等に利用できる。 |
キーワード | 遺伝資源、ダイズ、アズキ、イネ、コムギ、オオムギ、ライコムギ |
背景・ねらい | 北海道が保有する遺伝資源のうち、大豆について豆腐用等関連特性を調査し、育種素材を選定する。また、水稲、麦類、豆類の未調査遺伝資源について一次評価項目を調査し、育種素材等への利活用に資する。 |
成果の内容・特徴 | 1.大豆遺伝資源3,957点の中に、豆腐用の育種素材として有望なものが17点ある。それらは、「トヨムスメ」に比べ1)粗蛋白と遊離型全糖の含有率がともに高い、2)粗蛋白含有率がおよそ2ポイント以上高く遊離型全糖含有率が並、3)粗蛋白含有率が並で遊離型全糖含有率がおよそ1ポイント以上高いのいずれかで(抜粋:図1)、加えて種皮色が黄白から黄で百粒重が25g以上のものである。 2.上記の遺伝資源のうち「トヨムスメ」に比べ遊離型全糖含有率が高いもの中から、粒大と種皮色に着目し、煮豆用7点・納豆用9点を有望なものとして選定する。 3.水稲遺伝資源1,042点の中に、穂長、穂数、精籾千粒重の3形質のいずれかが「きらら397」に優り、残りの形質も同等以上のものが21点ある。この中に、成熟期、脱粒性、止葉直立程度も加味して注目すべきものが4点ある。 4.麦類遺伝資源1,308点のうち、秋まき小麦では「タクネコムギ」より成熟期が早いものが16点、「ホクシン」より千粒重が5g以上重いものが250点ある(図2)。春まき小麦では「ハルユタカ」より千粒重が5g以上重いものが27点ある。二条大麦では「りょうふう」より千粒重が5g以上重い資源は3点ある。大麦(六条)では、春まき皮麦で3点が二条大麦「りょうふう」に匹敵する粒大を示す。ライ小麦では各形質に変異がみられるが、もっとも早熟のものでも秋まき小麦の「ホクシン」や春まき小麦の「ハルユタカ」より晩い。 5.大豆では630点の中に、成熟期が「トヨムスメ」並で粒大が大きいもの、「トヨムスメ」より成熟が早く粒大が同程度のもの、「ユウヅル」より成熟が早く粒大が同程度以上のものが計20点ある。 6.小豆では滝川において927点のうち448点(約48%)が成熟期に達することが確認できた。そのうちの397点を含め、滝川において740点の特性調査で成熟期が「エリモショウズ」並で百粒重が重い遺伝資源が8点みられる(抜粋:図3)。また滝川での成熟未達資源164点を含む晩生材料555点の暖地(九州特産種苗センター:熊本県)における特性調査で「アカネダイナゴン」に比べ早熟で同程度の粒大、または同程度の熟期で大粒のものが計21点ある。 |
成果の活用面・留意点 | 1.本成績の個々の調査データは道の各作物育成場等に提供する。 2.大豆子実成分評価情報は、豆腐用等大豆品種育成の育種母材選定に活用できる。 3.一次評価項目情報は、それぞれの育種素材選定等に利用できる。 平成17年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「大豆遺伝資源の子実成分評価と主要作物遺伝資源の特性情報」(研究参考) |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | あずき 育種 遺伝資源 大麦 小麦 大豆 品種 |