タイトル |
高度病害抵抗性テンサイ系統「NK-310mm-O」に由来する連鎖地図 |
担当機関 |
(独)農業・生物系特定産業技術研究機構 北海道農業研究センター |
研究期間 |
2002~2005 |
研究担当者 |
田口和憲
岡崎和之
高橋宙之
中司啓二
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発行年度 |
2005 |
要約 |
構築したテンサイの連鎖地図はAFLP等177マーカーからなり、総遺伝距離695.6cM、座位間の平均距離は5.0cMである。連鎖群は染色体基本数と一致し、公開されているSTS由来CAPSマーカーに基づき同定しており、既報と情報を相互に利用できる。
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キーワード |
テンサイ、連鎖地図、AFLP、RAPD、STS、CAPS
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背景・ねらい |
連鎖地図は、DNAマーカー開発の足がかりとなるため、育種を効率化するための基盤として重要である。海外では、RFLPやSSRによるテンサイの連鎖地図が発表されているが、その利用については共同研究を前提とするなどの制限があり、マーカーの配列情報などは基本的に公開されていない。また、連鎖地図を利用したQTL解析ならびにマーカー開発は、マッピング集団の親系統に強く依存するため、国内の優良系統の連鎖地図を利用する必要がある。 このため、黒根病、褐斑病、根腐病に対し高度病害抵抗性を示すテンサイ系統「NK-310mm-O」の優れた形質を支配する遺伝子座を検出するため、これら3病害に罹病性を示す系統「NK-184 mm-O」との雑種後代においてAFLPなどを用いて連鎖地図を構築する。
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成果の内容・特徴 |
- 連鎖地図は、「NK-310mm-O」と「NK-184mm-O」の交配F2集団192個体をマッピング集団とし、「NK-310mm-O」に相引する161AFLP、2RAPDおよび14CAPSの計177マーカーからなる(図1)。
- 連鎖解析及び各連鎖群へのマーカーの割り付けは、連鎖地図作成ソフトMapmaker/EXP(Ver.3.0b)を用い、各連鎖群はmin LOD =3.0、max distance= 30cMの設定条件でテンサイの半数染色体数と同じ9つに分類できる。
- CAPSマーカーは、海外既報で連鎖群が同定されたSTSマーカー(Mohringら,2004)を制限酵素切断したものであり、 各連鎖群に最少1個以上となる計14マーカーからなる(図1)。
- 遺伝距離の総和は695.6cMであり、同定座位数は140座位、同定した座位間の平均距離は5.0cMである。
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成果の活用面・留意点 |
- マッピング集団に用いた親系統「NK-310mm-O」は、黒根病、褐斑病、根腐病に対し高度抵抗性を示すため、今後QTL解析やDNAマーカー開発に利用する。
- 既報と共通の連鎖群により、海外等で開発、同定されたゲノム情報を活用できる。
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図表1 |
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カテゴリ |
育種
DNAマーカー
抵抗性
てんさい
根腐病
病害抵抗性
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