タイトル | カボチャの疫病の防除対策 |
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担当機関 | 道立道南農業試験場 |
研究期間 | 2004~2005 |
研究担当者 |
三澤知央 萩田孝志 |
発行年度 | 2005 |
要約 | カボチャの疫病の薬剤散布水量を慣行の2倍量にすることで、発病株率を1/3~2/3程度に抑えることができる。収穫果実を出荷前に14日間貯蔵し選別することにより、感染果実の99%を除去できる。 |
キーワード | カボチャ、疫病、薬剤散布、キュアリング |
背景・ねらい | トンネル早熟カボチャの産地である道南地域のA町では疫病が発生している。本病は、ほ場でつるおよび果実に発生するほか、外観健全な収穫果実が出荷後に発病することも多く、出荷先からのクレームの原因となっている。そのため、カボチャの疫病の発生実態を解明するとともに、ほ場および収穫後の防除対策を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1.2003~2005年に13戸16ほ場を調査した結果より明らかになった発生実態を以下に示す ①A町内の主要なかぼちゃ栽培4地区中2地区で、疫病が広く発生している。 ②毎年、特定の農家で多発する傾向があり、ほ場内での発生には大きな偏りがある。 ③初発時期は6月上旬~7月中旬であり、降雨後に発病が増加する傾向がある。 ④既発ほ場では3~4年の輪作を行っても発病する。 2.薬剤散布水量を慣行100L/10aの2倍量200L/10aとすることで、発病株率を1/3~2/3程度に抑えることができる(図1)。多発生ほ場では、200L/10a散布によりコスト増加分に見合った増収が得られる。 3.外観健全な罹病果実は収穫14日目には99%発病するので(図2)、収穫果実を14日間風通しのよいビニールハウス内でキュアリング(果梗部の切り口の乾燥を促進するための陰干し)するとともに、発病果を選別し除去する。 4.収穫時の発病株率と収穫後の発病果率には正の相関関係が認められ(図3)、発病株率を下げることにより収穫後の果実発病を減らすことができると考えられる。 5.以上を総合した防除対策を確立した(図4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1.本情報は、カボチャの疫病発生ほ場における防除対策として活用する。 2.疫病感染果実が発病するまでの日数は、キュアリング温度(本試験では平均25℃)によって多少前後するので、必要に応じて調整する。 平成17年度 北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「カボチャの疫病の防除対策」(指導参考) |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 かぼちゃ 乾燥 コスト 出荷調整 防除 薬剤 輪作 |