タイトル | 酵素処理によるタマネギの食品素材化と利用 |
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担当機関 | 道立食加研 |
研究期間 | 2004~2005 |
研究担当者 |
槇 賢治 |
発行年度 | 2005 |
要約 | 規格外や加工残さ等の未利用タマネギを適当な市販酵素剤で処理することにより高収率にエキス化し機能性を付加することができる。また、エキスを麹や乳酸菌により発酵することにより高機能飲料の開発が期待できる。 |
キーワード | タマネギ、酵素、機能性、食品素材、発酵 |
背景・ねらい | 北海道はタマネギの大産地であるが、毎年、規格外品が発生し、年によっては価格調整等のため産地廃棄が行われる。また、加工産業においては天地切り等による加工残さが恒常的に発生している。 これら未利用タマネギ資源の有効利用は生産流通関係者や加工産業等において大きな課題となっており解決が急がれている。本研究では酵素の持つ物質変換機能を活用して広範な用途への利用が可能な食品素材を開発するとともに新たな加工品を試作して道産タマネギ利用拡大の一助とする。 |
成果の内容・特徴 | 1.破砕したタマネギに2種の市販繊維質分解酵素剤を併用して、適正条件で処理することにより、不溶性固形物の約80%を可溶化することができる(図1)。 2.エキス化率は原料を加熱した場合も無加熱の場合も酵素処理により大きく増加し、いずれも90%以上となる(図2)。 3.風味改善のため、破砕したタマネギに一定量のショ糖を添加し、同様に酵素処理するとエキスのフラクトオリゴ糖含量が高まる(図3)。 4.酵素処理エキスは可溶性糖類含量が増加するため、微生物による発酵利用性が高まる。米麹による発酵では甘酸味が増し、アミノ酸の組成、含量が変化するとともにγ-アミノ酪酸(GABA)が生成する(図4)。また、Lactobacillus.plantarumにより乳酸発酵が進行し、約3g/lの乳酸が生成して穏やかな酸味が生じる(図5)。 |
成果の活用面・留意点 | 1.本成果情報における供試品種は「スーパー北もみじ」で酵素処理の対象部位は鱗茎部である。 2.酵素処理タマネギエキスは高機能食品素材として調味料、菓子原料や健康食品等への広範な利用が可能であり、さらに麹や乳酸菌で発酵することで付加価値の高い健康飲料の開発が期待できる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 加工 機能性 機能性食品 たまねぎ 品種 |