乳牛の第四胃変位低減対策

タイトル 乳牛の第四胃変位低減対策
担当機関 道立畜試
研究期間 2004~2006
研究担当者 伊藤 めぐみ
原 悟志
川本 哲
扇 勉
発行年度 2006
要約 第四胃変位の低減には、泌乳中後期の過肥防止、分娩前の繊維増給、分娩後の飼料中ルーメン内消化デンプンの制御、低Ca血症牛へのCa剤投与による乾物摂取量不足対策が有効である。
キーワード 乳牛、第四胃変位、低減対策、乾物摂取量
背景・ねらい 第四胃変位は、分娩後1ヶ月以内に多発する乳牛の消化器病であり、分娩後の乾物摂取量不足が主要な発症要因とされている。そこで分娩後の摂取量不足対策として、過肥予防、分娩前後の飼料給与法改善、低Ca血症対策について検討し、第四胃変位の低減法を提示する。
成果の内容・特徴
  1. 高栄養飼料で飼養されているBCS3.25以上の牛を積極的に低栄養飼料の牛群に移動させる過肥防止および分娩前に繊維を増給する対策を行ったところ、2年間で過肥牛が減少し、第四胃変位発症率が20.7%から4.8%に低下する(表1)。
  2. 乾乳後期牛群への給与飼料中CPおよびNFC含量を変更せずに、NDF含量を2ポイント増加させると、第四胃変位発症率が30.8%から8.3%に低下する(表2)。
  3. 分娩後1週間においてNDF摂取量が少なくルーメン内消化デンプン含量が高い飼料を給与されていた牛は第四胃変位発症率が高い(表3)。
  4. 乳熱牛および低Ca血症牛(血中Ca濃度7.0mg/dl未満)は、その後の第四胃変位発症率が、それぞれ20.8%、8.5%であったのに対し、低Ca血症牛にCa剤を静脈投与し、血中Ca濃度を回復させると、4.8%に低下する(表4)。
  5. 第四胃変位牛は発症前の特徴として、乾物摂取量が2日以上連続して10kg以下となり、乳量が2日以上連続して分娩翌日よりも低下し、体重が分娩後50kg以上低下する。
成果の活用面・留意点
  1. 第四胃変位多発農家において、乾物摂取量の低下要因を抽出し改善を図ることで本症発症率を低減できる。
図表1 213708-1.jpg
図表2 213708-2.jpg
図表3 213708-3.jpg
図表4 213708-4.jpg
カテゴリ 乳牛

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