タイトル |
流量自動制御装置を用いた低粘度スラリーの高精度散布 |
担当機関 |
根釧農試 |
研究期間 |
2004~2006 |
研究担当者 |
吉田邦彦
高橋圭二
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発行年度 |
2006 |
要約 |
流量計等のセンサ類と電子式調節弁を組み合わせて新たに開発した流量自動制御装置により、低粘度スラリーでは設定値に対する変動係数が約4%と高精度な散布が可能である。オペレータは作業速度の調整・制御に注意することなく、ほぼ一定の速度を保って走行するだけでよい。
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キーワード |
低粘度スラリー、電磁流量計、電子式調節弁、車速計、散布量、自動制御
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背景・ねらい |
農家単位で詳細なふん尿利用計画の策定が可能となってきているが、実際のふん尿散布はオペレータの経験や勘に頼った不正確、不均一な作業がなされている。さらに、ふん尿散布作業のコントラクタ化の進行に伴い、ふん尿散布の経験及び散布する圃場に対する知識に乏しい、農家以外のオペレータによる散布作業が増加していることから、散布量の正確な把握とオペレータの技量によらない均一な散布を実現する技術が強く求められている。本課題では低粘度スラリーについて、流量計と調節弁、車速計とを組み合わせた流量自動制御装置を開発して、その散布精度について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 低粘度スラリー散布量を設定した散布量で高精度に散布するための流量自動制御装置(図1)は、レーダ式車速センサと電磁流量計の信号を元に、電子式調節弁(ボールバルブ)の開度を自動調整して流量を自動制御する仕組みである。この装置は、タンク吐出部とディストリビュータ(分配器)の間に流量計と調節弁を、トラクタ前部に車速センサを、キャビン内にコントローラを設置する。
- 流量自動制御装置を用いた平坦圃場における散布は、散布開始時及び速度急変時に流量が安定するまで11~24秒を要するものの、安定後の設定値に対する変動係数は約4%と高精度である(表1)。傾斜圃場(最大傾斜:約9度)についても、緩やかな速度変化に対する流量制御が可能であり、その精度は平坦圃場と同程度である。
- 所定の区画に対し設定散布量に応じた散布台数のみを指示した慣行散布では、吐出量等の条件を把握できないため作業速度にばらつきが生じ、一例では設定散布量2.5L/m2に対し3.15±0.82L/m2の散布量となるなど、むらの多い散布となりやすい。しかし、開発した装置による自動制御散布では、作業速度1.8m/s程度を目安に作業するだけで、設定散布量2.5L/m2に対して全体の散布量が2.52±0.05L/m2と、精度の高い均一な散布が可能である(表2、図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 開発した装置にデータ表示機能や入力機能などを付加することで、将来的には施肥設計ソフトと連携したシステム等の構築が可能と考えられる。
- 本成果における散布精度は、慣行散布精度及び既存の流量自動制御装置による散布精度を検討する際に参考とすることができる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
自動制御
施肥
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