タイトル |
道南地域における水稲中生品種の水稲湛水直播栽培指針 |
担当機関 |
道南農試 |
研究期間 |
2004~2006 |
研究担当者 |
五十嵐俊成
荒木和哉
相川宗嚴
平石 学
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発行年度 |
2006 |
要約 |
道南地域の水稲中生品種直播栽培指標は、目標収量500kg/10aの場合、窒素施肥量は、全層、全層+側条施肥各々、低地土8、7~8、泥炭土5.5、5㎏/10aである。損益分岐収量は移植と直播の併用(3ha)、全面(12ha)で目標収量より低く、直播導入により収益増も可能である。
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キーワード |
道南、中生品種、直播、施肥量、損益分岐収量
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背景・ねらい |
道南地域を対象とした水稲の良食味中生品種の直播栽培において、緩効性肥料を利用した施肥法改善により、収量・品質の高位安定化を実証し、道南地域における水稲直播栽培指標と施肥指針を示す。
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成果の内容・特徴 |
- 生産者の4割が移植と同等の収量水準を期待しており、作況の平年収量500kg/10aを目標とした場合、道南地域における水稲直播栽培指標はm2当たり籾数2万7千~3万粒、m2当たり穂数700~800本である。そのために必要な施肥は全層施肥の場合、低地土8kgN/10a、泥炭土5.5kgN/10a、全層と側条を組み合わせる場合、低地土7~8kgN/10a、泥炭土5kgN/10aである(表1) 。
- 緩効性の肥料BB544(15-15-14 50%Nが20日溶出型の被覆肥料)は444(14-14-14 高度化成)よりも施肥窒素の利用効率が高く、成熟期窒素吸収量が9kgN/10aを超える条件では登熟歩合が低下し品質が劣る場合がある。したがってBB544を使用する場合、過剰な窒素吸収を防ぐため全窒素施肥量を1割程度減らす。
- 播種量は10㎏/10aを基本とする。過酸化カルシウム粉衣剤(カルパー16)の使用量が籾と等倍量の場合、播種量を8kg/10aまで削減可能である。
- 実証された技術の10a当たりコスト(労賃除く)は,移植と直播との併用時(3ha)で64,000~68,000円であり、全面導入時(12ha)で76,000~80,000円/10aと試算される。いずれの実証技術も費用に大きな差はないため、個々の生産環境に応じて収量確保に結びつく栽培法を選択するのが望ましい(表2)。
- 損益分岐収量は、移植と直播との併用時(3ha)で350~380kg/10aであり、全面導入時(12ha)で420~450kg/10aである。実証技術は,おおむねこの収量を上回っていたことから,移植に追加的に3ha程度の湛水直播を導入していくことで、移植よりも収益性を高めていくことも可能である(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本成績は道南地域(渡島南部:知内町、渡島中部:北斗市、七飯町、檜山南部:江差町)で実施したものである。
- 渡島、檜山に準じた地域に適応する。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
肥料
コスト
直播栽培
水稲
施肥
播種
品種
良食味
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