省力栽培向きの良食味カボチャ新品種「TC2A」

タイトル 省力栽培向きの良食味カボチャ新品種「TC2A」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 1996~2006
研究担当者 伊藤喜三男
室崇人
森下昌三
杉山慶太
早坂良晴(渡辺採種場)
渡邉春彦(渡辺採種場)
浜田佳子(渡辺採種場)
野口裕司
発行年度 2006
要約 「TC2A」は、短節間性を有した高粉質で良食味のF1品種であり、カボチャ栽培の省力・軽作業化を図ることができる。
キーワード カボチャ、短節間、省力、軽作業、高粉質、高乾物率、良食味
背景・ねらい カボチャ栽培では定植後の整枝、誘引、収穫作業に多くの労力を要している。これらの作業における省力・軽作業化を図る上で、節間が伸びない短節間性は有用形質とされている。これまでにも短節間性を備えたカボチャ品種は育成されてきたが、果実は低粉質で肉質が劣るために市場性に乏しく、広く普及するに至っていない。そこで、整枝・誘引・収穫作業の省力・軽作業化と果実の高品質化を目的に短節間性と高粉質を備えたカボチャ品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「TC2A」は普通草型の種子親系統「BHA」と、短節間性で高粉質の花粉親系統「北海1号」を交配して得られた春まき露地栽培に適したF1品種である。
  2. 主枝(親蔓)は、13節前後までは節間が短く短節間性の草型を示し(図1)、着果期以降から徐々に伸長して普通草型となる。整枝は主枝1本仕立てとし、摘心は不要である。また、側枝発生は「えびす」に比べて少なく、整枝・誘引作業も不要である。果実は株もと近くに着生するため、見つけやすく、「えびす」よりも収穫に要する時間は短い(表1、表2)。
  3. 果実は先端が凸となる心臓形で、果皮は濃緑である(表2、図2)。果肉は橙黄色で、肉厚である。Brixは「えびす」、「つるなしやっこ」よりも高い。また、乾物率は「えびす」、「つるなしやっこ」よりも高く、肉質は高粉質で食味に優れる。
  4. 果実重量は「えびす」よりやや大きい1.8~2.0kg程度で、面積当たりの総収量は密植栽培が可能なため、「えびす」よりも多収である。また、規格内収量も「えびす」より多い(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 良食味で省力・軽作業化が図れるカボチャの生産を目的とした栽培に利用できる。
  2. 株もと近くの茎葉が枯れ上がった場合には果実に日焼けが生じやすいので密植して、無摘心・無整枝で栽培を行う。
  3. 北海道、東北の春播き露地移植地帯に適する。
図表1 213827-1.jpg
図表2 213827-2.jpg
図表3 213827-3.jpg
図表4 213827-4.jpg
カテゴリ かぼちゃ 栽培技術 新品種 品種 良食味

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