タイトル |
種なしスイカ作出に用いる部分不活化花粉の長期保存技術 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター |
研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
阿久津雅子
山根信三(高知大)
小原敬弘(高知県果樹試)
杉山慶太
中島国男(ケイワン(株))
田中満稔(高知県果樹試)
又川浩司(高知県果樹試)
矢野臣祐(高知県果樹試)
淀瀬繁樹(鳥取中央農協)
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発行年度 |
2007 |
要約 |
軟X線照射したスイカ花粉(部分不活化花粉)を真空専用袋で脱気後窒素を封入し、-25℃で冷凍することにより、1年以上保存できる。この保存花粉の授粉により種なしスイカを効率的に生産することが可能になる。
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キーワード |
スイカ、部分不活化花粉、種なし、保存、窒素、真空、冷凍
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背景・ねらい |
軟X線照射花粉を利用した種なしスイカの作出のためには、早朝に雄花を収集し、軟X線を照射して花粉を部分不活化させた後、授粉作業を行うことが必要であるため、多大な労力を要している。また、午前中に授粉作業を終わらせることが必要であるため、時間的制約も大きい。部分不活化花粉の長期保存が可能になれば、生産者は効率的に授粉作業に専念することができることから労働負担は軽減され、生産規模の拡大も可能になる。そこで、処理が簡便で、効果の高い花粉保存技術を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- スイカの花粉を開花当日の早朝に雄花の葯から収集する。
- 収集したスイカ花粉に軟X線を照射(600Gy)後、真空状態(0.8kPa)あるいは脱気後に窒素または二酸化炭素を酸素透過度の低い真空専用袋に入れて封入した状態で冷凍保存(-25℃)する(図1)。これにより、1年間保存しても高い花粉発芽率が維持できる(図2)。
- 窒素封入して、-25℃で1年間保存した部分不活化花粉を授粉した場合、対照花粉とほぼ同程度の着果が認められ、果実は重さ、果形、果皮の厚さ、糖度(Brix)およびしいな数とも対照果実とほぼ同程度である(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 真空専用袋は酸素透過度の低いガスバリアー性袋(PET(ポリエステル)・AL(アルミ)PE(ポリエチレン)三層袋等)が適する。
- 保存花粉は35℃以上、湿度80%において2時間で発芽率が半減する。保存花粉の運搬には、直射日光を避け、保冷剤の入った発砲スチロール等に入れて使用する。
- 二酸化炭素を封入した保存花粉での着果試験は行っていない。
- 部分不活化花粉は、ケイワン株式会社から販売予定である。
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図表1 |
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カテゴリ |
すいか
長期保存・貯蔵
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