タイトル |
北海道に向く西洋なしの品種特性 |
担当機関 |
道立中央農試 |
研究期間 |
2001~2007 |
研究担当者 |
内田哲嗣
稲川裕
高橋睦
水本文洋
伊藤祐司
京谷英壽
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発行年度 |
2007 |
要約 |
北海道で栽培が増加傾向にある西洋なしの特性を検討し、早生で大果の「マルゲリット・マリーラ」、糖度が高く食味が良い「オーロラ」、大果で品質が優れる「ゼネラル・レクラーク」の3品種が有望である。
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キーワード |
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背景・ねらい |
西洋なしは冷涼な気候を好み、耐寒性が強いことから北海道に向いた果樹である。1995年には55haだった栽培面積は2007年には92haと増加している。そのうち「バートレット」、「ブランディワイン」で約70%を占めているが、「バートレット」は果実品質がやや低く、「ブランディワイン」は小玉であるなど問題があり、新たな品種が求められている。そのため、国内・国外から導入した西洋なし品種について、耐寒性・収量・熟期・果実品質などの特性を明らかにし、北海道に適応する品種を選定する。
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成果の内容・特徴 |
- 供試した12品種中優れた特性があり、北海道で有望と考えられるのは以下の3品種である。
「マルゲリット・マリーラ」:収穫期は9月中旬。この時期としては非常に大果であり400gを超えることも多い。果肉はやや粗いが風味や食味は良く品質良好。追熟後は果皮が黄色くなることから適食期がわかりやすい。ただし、大果であることから強風による落果が起こりやすい。 「オーロラ」:収穫期は9月中旬、満開後日数115日頃。果実重は年による変動があるが、250gを超える年もあり中程度の大きさ。平均糖度が15.4%と極めて高く、肉質も緻密で風味も良く品質は優れる。樹勢が弱く収量が少ない。 「ゼネラル・レクラーク」:収穫時期は10月上~中旬。果実重350g前後と大きく、糖度も14%程度と高い。果肉は密でなめらか、風味、食味良好で多汁である。品質は優れる。ただし年によりやや渋みを感じることがある。大果であるため強風による落果が起こりやすい。
- 「プレコース」「ミクルマス・ネリス」「コンファレンス」「ハイランド」「エルドラド」「パッカムス・トライアンフ」の6品種は本道での栽培は可能であり有用な形質を持つが、問題となる欠点もある。
- 「カリフォルニア」「シルバーベル」「ル・レクチェ」の3品種は本道での栽培には向かないと判定する。
- 各品種共に慣行防除では問題となる病害虫は発生しなかった。凍害も認められず、耐寒性に問題はなかった。
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成果の活用面・留意点 |
- 西洋なし産地における品種導入において活用する。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「西洋なしの品種特性」(指導参考)
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図表1 |
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カテゴリ |
病害虫
害虫
西洋なし
耐寒性
凍害
品種
防除
良食味
ワイン
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