小豆の短日処理による開花・着莢障害耐冷性遺伝資源の選定

タイトル 小豆の短日処理による開花・着莢障害耐冷性遺伝資源の選定
担当機関 道立十勝農試
研究期間 2002~2007
研究担当者 青山 聡
島田尚典
発行年度 2007
要約
    小豆の極晩生遺伝資源を短日処理で開花させ、低温遮光処理終了後6-10日目の開花数と着莢率から開花・着莢障害耐冷性を評価する方法で選定した遺伝資源であり、耐冷性小豆品種育成の母材として活用できる。
キーワード
    アズキ、極晩生遺伝資源、短日処理、開花・着莢障害耐冷性
背景・ねらい
    低温による開花・着莢障害により小豆は大きく減収するため、耐冷性の強化が必要である。そのために、これまで耐冷性評価ができなかった短日感光性の強い極晩生遺伝資源を、開花、着莢させるための短日処理法及び耐冷性評価法を確立し、耐冷性遺伝資源を探索・選定する。
成果の内容・特徴
  1. 人工気象室内において、小豆の第2本葉期より明/暗:13時間/11時間で短日処理(夜15~昼28℃)を開始し、1週間毎に連続した暗期を1時間ずつ長くし、主茎上位2節目に花房が確認された植物体を自然日長の人工気象室に移して栽培することにより、極晩生遺伝資源の開花期が概ね揃い、開花・着莢障害耐冷性を検定するために十分な開花数・莢数が得られる(図1)。
  2. 短日処理処理終了約1~2週間後、7日間の低温遮光処理(夜10~昼15℃、50%遮光)を行い、低温感受性が高いと考えられる処理終了6~10日後に開花した花の開花数(花/個体)、着莢率(%)の遺伝資源間差が明瞭であるため、それらを指標にして耐冷性を評価できると考えられる。
  3. 小豆耐冷性遺伝資源の選定を行うに当たり、既存品種の中で開花・着莢障害耐冷性が最も強いと評価されている「斑小粒系-1」の低温遮光処理区での開花数(花/個体)、着莢率(%)を標準とする評価基準を設定することにより、コントロール区を設けずに低温遮光処理区のみでの耐冷性評価が可能である。
  4. 耐冷性が期待できる標高の高い地域より収集した小豆遺伝資源について、開花・着莢障害耐冷性を評価し、“強”の「Acc2265」1点、“やや強”の「Acc2266」等12点は、「斑小粒系-1」より開花数(花/個体)及び着莢率(%)が上回り有望と考えられる(表1)。
  5. 開花・着莢障害耐冷性が“強”の小豆遺伝資源「Acc2265」は、低温遮光処理終了6~10日後に、正常に受粉する花の頻度(%)が「斑小粒系-1」よりも高い(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 開花・着莢障害耐冷性が強いと評価した「Acc2265」他を交配母本として利用できる。
  2. 選定した遺伝資源が実際の冷害年で耐冷性を発揮できるかどうかの検証は行っていない。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名及び区分
「小豆における生育期別耐冷性の評価並びに遺伝資源の選定」(研究参考)
図表1 213859-1.jpg
図表2 213859-2.jpg
図表3 213859-3.jpg
カテゴリ あずき 遺伝資源 受粉 凍害 評価基準 評価法 品種

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