タイトル |
交雑牛を用いた黒毛和種種雄牛の能力評価法 |
担当機関 |
道立畜試 |
研究期間 |
2004~2007 |
研究担当者 |
鹿島聖志
森井泰子
藤川朗
酒井稔史
宝寄山裕直
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発行年度 |
2007 |
要約 |
交雑牛(F1:黒毛和種種雄牛×ホルスタイン雌牛)の成績を用いて黒毛和種種雄牛の育種価評価を行うことができる。交雑牛を黒毛和種種雄牛の産肉能力検定に利用することにより検定費用を抑制することが可能となる。
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キーワード |
交雑牛(F1)、黒毛和種種雄牛、育種価、発育能力、産肉能力
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背景・ねらい |
黒毛和種種雄牛の能力はその黒毛和種産子の成績から評価するのが一般的である。道内では交雑牛(F1)の生産が盛んであり、その成績を用いることができれば黒毛和種産子の成績数が少ない黒毛和種種雄牛の能力を新たに評価できることが期待される。そこで、F1が黒毛和種種雄牛の能力評価に利用可能であるかを検討する。
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成果の内容・特徴 |
- F1および黒毛和種の子牛市場出荷時体重の遺伝率の推定値はそれぞれ0.12、0.44である。F1および黒毛和種の子牛市場出荷時体重からそれぞれ予測した育種価の正確度がともに0.8以上である黒毛和種種雄牛の育種価間には0.83の高い相関があり(図1)、黒毛和種種雄牛の発育能力の育種価評価にF1の子牛市場成績を用いることができる。
- F1および黒毛和種の枝肉成績の遺伝率の推定値は枝肉重量でそれぞれ0.39、0.54、ロース芯面積でそれぞれ0.51、0.47、BMSNo.(牛肉における脂肪交雑の入り程度)でそれぞれ0.24、0.58である。F1および黒毛和種の枝肉成績からそれぞれ予測した育種価の正確度がともに0.8以上である黒毛和種種雄牛の育種価間には枝肉重量で0.79、ロース芯面積で0.80、BMSNo.で0.77の高い相関があり(図2)、黒毛和種種雄牛の産肉能力の育種価評価にF1の枝肉成績を用いることができる
- F1を用いた黒毛和種種雄牛の産肉能力検定において、BMSNo.の能力が高い黒毛和種種雄牛AはF1においても高いBMSNo.の能力を示す(表1)。F1では黒毛和種よりも能力未判明の若雄牛を交配してくれる傾向にあることから、産肉能力検定にF1を利用することにより検定費用を抑制することが可能となる。
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成果の活用面・留意点 |
- F1の成績により新たに能力が評価された黒毛和種種雄牛の情報は、生産者が交配する種雄牛を選定する際に活用できる。
- F1を利用して黒毛和種種雄牛の産肉能力検定を行う際には、地域内一貫肥育などの枝肉成績収集体制が整っていることが必要である。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「交雑牛を用いた黒毛和種種雄牛の能力評価法」(指導参考)
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図表1 |
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カテゴリ |
育種
出荷調整
評価法
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