タイトル |
とうもろこしサイレージ多給時に適した併給飼料のタンパク質分解性 |
担当機関 |
道立畜試 |
研究期間 |
2006~2006 |
研究担当者 |
谷川珠子
川本哲
原悟志
大塚博志(ホクレン)
篠原禎忠(ホクレン)
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発行年度 |
2007 |
要約 |
とうもろこしサイレージ多給時は、飼料中の溶解性タンパク質含量を30%CPから36%CPに高めると、ルーメン内のデンプン消化率は変化せずに、微生物態窒素合成が効率よく行われる。
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キーワード |
とうもろこしサイレージ、微生物態窒素合成、ルーメン内溶解性タンパク質
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背景・ねらい |
高エネルギー自給飼料であるとうもろこしサイレージ(CS)を活用した飼養管理を行うために、CSの特性に合わせた配合飼料の開発が求められている。CSは易消化性デンプンを豊富に含む一方、タンパク質含量が低いため、CSのルーメン内分解性に合わせた併給タンパク質飼料が必要であるが、CS多給時に適したルーメン内溶解性分画(SIP)と非分解性分画(RUP)含量は明らかではない。そこで本試験では、CS多給時におけるSIPおよびRUP含量の異なる飼料の組み合わせが、十二指腸への窒素移行量および微生物態窒素合成効率に及ぼす影響を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 乾乳牛において、飼料中のCS割合50%(乾物比)、CP含量16%のとき、ルーピン、大豆粕、加熱大豆粕等の混合比を変えることにより、SIP含量を30%から36%に高めるとルーメン内のNDF消化率は低下するが、デンプン消化率は変化しない(表1)。
- 高SIP飼料給与時には、微生物態窒素合成効率が低SIP飼料給与時の1.5倍となり、窒素摂取量に対する十二指腸への総窒素移行量および微生物態窒素移行量が高まる傾向にある(表2)。
- 飼料中RUP含量を29%CPから32%CPに高めても養分摂取量、消化率および微生物態窒素合成量は変化しない(表1、表2)。
- ルーメン液のpH、VFA濃度およびアンモニア態窒素濃度にはSIPおよびRUP含量の影響がみられず、SIP含量を高めてもルーメン液のアンモニア態窒素濃度は変化しない(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- とうもろこしサイレージ多給時における、ルーメン内のデンプン分解性に合わせた配合飼料を開発する際の基礎資料となる。
- 本試験はCP中のSIP含量30~36%、 RUP含量29~32%で得られた結果である。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「タンパク質分解性の違いがとうもろこしサイレージ多給時におけるルーメン微生物態窒素合成に及ぼす影響」(研究参考)
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図表1 |
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カテゴリ |
飼育技術
大豆粕
とうもろこし
乳牛
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