タイトル |
生ビートパルプ、スイートコーンパルプ、規格外ニンジンの飼料価値 |
担当機関 |
道立畜試 |
研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
原悟志
谷川珠子
川本哲
山本裕介
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発行年度 |
2007 |
要約 |
生ビートパルプ、スイートコーンパルプおよび規格外ニンジンの各サイレージは、それぞれビートパルプペレット、とうもろこしサイレージおよび濃厚飼料の一部と代替が可能であり、乳牛用飼料として活用できる。
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キーワード |
生ビートパルプ、スイートコーンパルプ、規格外ニンジン
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背景・ねらい |
穀物価格が上昇し続ける状況において、飼料コストの削減を図るためには、安価な農産副産物の利用が有効である。また、地域内で生産された農産副産物の活用は、同時に輸入に頼らない自給率の高い畜産経営の確立にも寄与する。農産副産物を有効に利用するためには、サイレージ発酵品質、化学成分および採食量を明らかにする必要がある。 そこで、資源量が比較的多い、「生ビートパルプ」、「スイートコーンパルプ」、「規格外ニンジン」をサイレージ調製して、その飼料価値を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 生ビートパルプサイレージは、Vスコア98と発酵品質は良好である(表1)。糖蜜添加量の増加に伴い、NDF含量が低下し、嗜好性および採食量が高まる傾向にある。TDN含量は糖蜜10%添加が73.2%で乾燥ビートパルプと同程度と高く、糖蜜を添加する場合の添加量は10%が適当と考えられる。糖蜜を10%添加した本サイレージの自由採食量は乾物9.7kg/日である。
- いずれの生産時期でもサイレージのVスコアは96以上と発酵品質は良好である(表2)。化学成分およびTDN含量は、乳熟期のとうもろこしサイレージと同程度である。生産時期が遅いスイートコーンパルプサイレージほどデンプン含量およびTDN含量が高まる。本サイレージの自由採食量は乾物10~13kg/日で、生産時期が遅いほど多くなる傾向にある。
- ニンジンサイレージのVスコアは98~100で発酵品質は良好である(表3)。ニンジンは水分含量が高いためサイレージの乾物歩留まりは55%程度と低いが、ビートパルプや規格外小麦などの水分調整材を混合することにより、サイレージの乾物率および乾物歩留まりは高まる。ニンジンサイレージのTDN含量は乾物中81%と高い。無添加のニンジンサイレージの採食量は2.9kg/日、水分調整材を混合した場合は3.0~4.9kg/日である。
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成果の活用面・留意点 |
- 畑作地帯の乳牛、肉用牛飼養農家で、生ビートパルプ、スイートコーンパルプおよび規格外ニンジンを給与する際の飼料設計に活用できる。
- 規格外ニンジンは集荷場で選別された洗浄済みのニンジンを用いた。
- 各サイレージはフレコンバッグ(1m3容)を用いてサイレージ調製するとともに、スイートコーンパルプおよび規格外ニンジンではフレコンバッグの底に穴を開けて排汁処理した。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「生ビートパルプ、スイートコーンパルプ、規格外ニンジンの飼料価値」(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
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